JEF千葉×清水エスパルス
試合は、清水が3-1で千葉を下した。開始15分ぐらいまでの試合内容を考えれば、まさかこのスコアになるとは誰も予想できなかっただろう。試合の序盤は、千葉が一方的に清水を攻め立てる展開となった。左サイド、右サイドに、実に正確なロングパスが送られ、山岸や水野が清水のサイドを切り裂いていく。鳥栖から新加入した新居もチームにフィットしている感じで、新居を経由したパスから決定機が生まれた場面もあった。しかし、前半15分あたりに新居が決定機を外すと、流れは一変する。千葉のペナルティエリアで、千葉と清水の選手が競ったボールが高く弾み、そこに抜け目無くつめたフェルナンジーニョがボールを中央へ折り返すと、そのボールはGKの手をかすめてチョ・ジェジンの足下へ。なんなく押し込んで清水が先制点を奪った。そしてその3分後、清水の枝村が、千葉ディフェンスのプレッシャーが弱いとみるや右のスペースへドリブル突破、右足を振り抜くとこれが見事にゴールへ吸い込まれた。清水は、たった2本のシュートで2点を奪ってしまったが、清水の勢いはこれで止まらなかった。藤枝のゴールからわずか1分後。フェルナンジーニョが千葉ディフェンスに一度は転ばされながらも素早く起きあがってシュートを放つと、これがポストに当たり、これまた抜け目無く詰めていた伊藤が頭で押し込んで、あっという間に3-0となってしまった。ホームで負けられない千葉は前への圧力を強めるが、清水の選手達は的確に千葉の攻撃を跳ね返し、なかなかいい形で千葉にシュートを撃たせなかった。一本だけ千葉の佐藤に鋭いシュートを許したが、それもGK西部がしっかりとはじき飛ばし、前半はこのまま3-0で終了した。後半、千葉は次々と交代カードを切るが、なかなかゴールを奪えずに迎えた後半38分。藤本の微妙なハンドにより、千葉はPKのチャンスを得る。これをストヤノフがきっちりと決めて、ようやく千葉が1点を奪った。ここで清水が実につまらない行為を行う。ボールを早くセンターサークルに戻そうする千葉の選手をGK西部が妨害し、まずはイエローカードが西部に提示された。次に、ボールを持ってセンターサークルに行こうとするストヤノフをなぜか西澤が突き飛ばしてレッドカードが提示され、西澤は退場ということになった。審判のジャッジは極めて妥当だと思う。そこまで、清水の選手達のプレーは実に素晴らしかっただけに、後味の悪い物となった。そのあとの千葉のプレーぶりには頭をかしげざるをえない。2点を奪わなければならないのだから、普通ならパワープレーに出るところだが、千葉の選手達はひたすらサイド攻撃にこだわり、なかなかクロスすらあげることができなかった。もちろん、ロングボールを放り込めば、それがゴールに直結するというわけではない。しかし、ボールをゴール近くに運ばなければシュートすら撃てないわけだから、パワープレーに出ると言うこともいたしかたないと思うのだが。結局、試合は3-1で終了。清水は開幕2連勝、逆に千葉は2連敗となってしまった。千葉は、全体的にいプレーをしているとは思うのだが、どうも得点のニオイがしない。特に、巻の沈黙っぷりが心配だ。彼は、ワールドカップ以来何点取っているのだろう・・・?