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今回、ご紹介するのはミッチェルの4450です。 舶来リールには正直ほとんど興味がない僕ですが、オークションでジャンクリール10個セットなどというものを落としたら、これが混ざっておりましたんで、図らずも強制的にミッチェルオーナーになってしまいました。う~ん、さすがジャンク。ベールがブチ切れています。そして触るのも嫌になる汚さ・・・(^^; ミッチェルといえば、スピニングリールの創世記から世界中を席巻してきたフランスの名門スピニングメーカーというイメージですが、こんなヘンチクリンな形のリールも作っていたんですねえ。 ラインキャパは12LBで200yards、3号で180mくらいでしょうか。ギヤ比1:5.2。ボールベアリングはローターに1個。妙に長くて、やたら重いですね(汗) しかし、見慣れないこの異様な形・・・そしてメイドインフランス・・・僕の鑑定士としての勘では、これはかなりの名品と推察します。どうやらガラクタの中にダイヤが埋もれていたようです!(^^v 早速、このリールの素性をネット上でいろいろ調べてみますと・・・・え~となになに、1980年にリリースされたこのリールは、細部の完成度に問題があり、このリールの売り上げ不振によってミッチェルはその歴史に幕を閉じた。 ミ(ノ;_ _)ノ=3 ドテッ! しかし、インパクトのあるデザインです。ヨーロピアンモダンテイストとでもいうのでしょうか。 四角が途中で曲がっているのも、日本人には理解できないセンスです。 このリールは1980年頃の発売らしいですが、シマノのDUXともよく似たデザインで、一時期、こんなスクエアデザインが流行ったことがあったんですかね。フィルムカメラのようなデザインです。 このリールの変わったところは、ベールスプリングにインスプールスピニングと同じコイルスプリングを採用しているため、ベールを手で戻せないんですね。 つまり、ストッパーでベールをオープン固定し、横にあるスイッチで戻すようにできているのです。 これを知らずに手にした人が、力ずくでベールを戻して(※熊の剛掌破と呼んでいます)上記したようにベールが吹っ飛んでしまったと思われます。 一般的な行って来いのトーションスプリングにせず、コイルスプリングを採用したのは、コイルのほうがその作動性や耐久性に優れるということらしいですが、インスプールの扱いに馴染みがないと使いにくいかも知れませんね。やや玄人好みのモデルと言えるかもしれません。 ハンドルは折り畳みなんで、角棒挿入かと思ったら、ねじ込み式でした。 径の異なる逆ネジが刻まれてますね。ハンドルのダイレクト感は申し分ありません。 内部はグリスの硬化もなく、ピカピカでした。今までバラしたポンコチリールの中では、一番きれいでしたね。オーバーホールの必要はないので、このまま閉じます。 ミッチェルといえば、独自のプラナマティックというオシュレート機構が有名らしいですが、これは一般的な減速機構付の正弦波オシュレーションですね。内部のやたらスカスカなスペースを見ると、このデザインにする必然性が全く感じられません。 ローターの内側には、デカい鉛のバランサーが固定されてます。これは頂けません。デザインを優先して設計上の回転バランスを後回しにしているので、このような後付けのウェイトが必要になってしまうのです。これじゃ日本メーカーに負けるはずです。 とはいえ、実用性能を犠牲にしてまでこのデザインに拘るというのがフランス人のフィッシングスタイルなのでしょう。(んなわけないかw) ベールも何とか直して、綺麗にクリーニングしたら、なかなか美品でした。こうして見ると、なかなかカッコえ~ですね。日本製品にはまず感じられない独特の味があります。 横のスライドスイッチは、ラチェット音の入り切りスイッチで、このリールのラチェット音は、ガロオオオオオオーッとえらい轟音で鳴り、一聴の価値があり ・・・ません(笑) もう一つこのリールには取り柄がありまして、大森と同じベールのフォールディング機能があるのです。ハンドルも畳むと、非常にコンパクトにまとまります。ますますカメラっぽいですね。 僕としては、やはり舶来物にはしっくりくるというか、グッとくるものが無いのが正直なところですが、日本人とは違う発想、価値観、アイデアなどが垣間見られて、面白くて刺激にはなりますね。設計はともかく、なかなかしっかりした作りのリールでした。
次回はスペシャル企画を予定しておりますので、こうご期待!
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