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シネマに賭けた青春「夢を追いかけた日々」の想い出

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「E.T.」は10歳の少年と地球に取り残された宇宙人との友情を通じて、相手を思いやることの大切さ、美しさを描いたファンタジーの傑作である。

スティーヴン・スピルバーグ監督は「未知との遭遇」(77年)を完成後、自分の少年時代の思い出と願望を込めた映画の製作に取り組んだ。それがこの「E.T.」なのである。

両親の別居はエリオット少年に暗い影をおとしている。少年はスピルヴァーグの分身であり、「ずっと一緒に地球で暮らそう。ボクが守ってあげるから」というエリオットの言葉こそ、切なる思いなのである。

鬱蒼とした森に地球の植物を調査しに宇宙船がやってくる。ところが人間たちに見つかってしまい、慌てて離陸したため、一人の宇宙人が取り残される。NASAの人間たちは血眼になって宇宙人を探す。

追っ手を逃れて住宅地に逃げ込んだ宇宙人はエリオット少年(ヘンリー・トーマス)と出会い、双方顔を突き合わせる。怪物騒ぎで宇宙人との出会いの場面の面白さ、手当たり次第に口に入れる宇宙人の面白さ、かくしてエリオットは宇宙人を匿うことになる。

E.T,と名づけられた宇宙人はテレパシーでエリオットと交流を深め、兄のマイケル(ロバート・マクノートン)や妹ガーティ(ドリュー・バリモア)の協力で、故郷の星と連絡を取る。

宇宙人の言葉の学習能力、エリオットの指の怪我を治してやる能力など、卓越した力を見せてくれる。「おうち・・・おうち・・・」と故郷を恋しがる宇宙人を早く帰してやりたいという気持ちにさせてくれる。

「地球でこのまま僕と暮そう。君を守ってあげる、一緒に大きくなろう」
エリオツトはそういって宇宙人を慰めるのだ。

E.T.は事故で瀕死の重傷になり、一家はパニック。そんな時、科学者たちに見つかってしまい、いのちを救う作業を行うが呼吸は停止、棺に入れられるがE.T.は蘇生。それに気がついたエリオットは兄や友達の助けを借りて科学者たちの手から逃れる。

自転車に乗った宇宙人と少年たちが科学者たちに捕まる寸前、超能力で空に舞い上がるシーンは実に見事だ。白い月に黒いシルエット・・・象徴的なシーンである。

やがて迎えの宇宙船が舞い降りてくる。固く抱き合うエリオットとE.T.。涙がこぼれてくる名場面だ。そして宇宙船は・・・。

E.T.とは「宇宙からの訪問者」を意味している言葉だ。スピルヴァーグの思いやり溢れた作品と言えるだろう。

1982年 アメリカ・カラー 監督 スティーヴン・スピルバーグ 出演 ヘンリー・トーマス ロバート・マクノートン

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Last updated  2007.02.27 10:28:31
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