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テーマ:男優たちの華麗な酒盛り(277)
カテゴリ:アメリカ ・ ハートウォーミング
この映画は第77回アカデミー賞主要4部門を独占したクリント・イーストウッドのまぎれもない傑作である。 ジムを経営する孤独なトレイナー、フランキー(イーストウッド)。実力はあるが、育てた若者は欲を求めて彼の元を去っていく。そんなとき、ジムへ31歳のボクサー志望のマギー(スワンク)が入ってくる。しかし、フランキーは女は取らないと追い返す。 トレーラー育ちの貧しい生活を抜け出そうとウエイトレスを掛け持ちしながら、練習に励む彼女のハングリーさに、彼は徐々にボクシングを教えるようになる。 やがて、トレーニングを通して次第にお互いを必要としていく二人。何度手紙を出しても送り返してくる娘に縁を絶たれた男と家族の愛に見放されてしまった女、深い傷・苦しみを抱えながら生きてきた不器用な二人がミリオンダラーを目標に連帯感を持っていく。 フランキーの指導でマギーはみるみる頭角を現していき、遂に100万ドルをかけた世界タイトル戦に出場することになった。しかし、相手は汚い手を使う”青い熊”ビリー、試合はマギーの優勢で進んだが、不意打ちの犯則技を受け昏倒、マギーは全身麻痺で寝たきりになってしまう。 死を願い殺してくれと訴えるマギー、苦悩するフランキー。願いが聞き届けられないと知った彼女は舌を噛み切って自殺まで図るのだ。 長年の友人である雑用係りのスクラップ(モーガン・フリーマン)がフランキーに向かって云う。 「彼女にあったのはガッツだけ、それ以上のチャンスはなかった。世界タイトルに挑戦でき たのはあんたの力だ。人は毎日死ぬ、床掃除や皿洗いをしてね、そして人生を悔いながら最期を迎える。マギーに悔いはない。彼女が最期に思うことは”いい人生だった”と・・・俺もそれなら満足だ」 フランキーは決断する。そしてマギーの病室へそっと入り込む。 フランキーはマギーに語りかける。 「いいな、これから生命維持装置を外す。君は眠るんだ。そして注射を一本うつよ、君は眠り続けるんだ・・・。それから知りたがってたモクシュラの意味は『愛する人よ、お前は私の血』って意味だ」 そう云って静かにキスをしてやる。マギーの頬を流れ落ちる一筋の涙ーーー。 そして全ての処置を終えて病室を後にするフランキー・・・・・。 生命維持装置を外すことは是か非か、「俺が彼女を殺した」と言うフランキーの言葉の通り、単なる物体と化した彼女を見続けることは彼には耐えられないことであろうと私は思う。彼女の魂を救ってやる道は他にあるのか・・・・・。 2004年 アメリカ・カラー 監督 クリント・イーストウッド 出演 クリント・イーストウッド ヒラリー・スワンク モーガン・フリーマン ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.05 09:13:34
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