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カテゴリ:イギリス映画
これは今でもありそうな中年の不倫物語である。若い方に、こういう名作が或ることを知っていてほしいと思い、今日は本作を選んでみた。 ローラ(シリア・ジョンスン)は裕福だがごく平凡で貞淑な人妻。勤勉なサラリーマンの夫や子供と、ごく普通の毎日を送っていた。彼女は毎週木曜日に、子供をお手伝いさんに預け、汽車に乗って近くの町ミルフォードに買い物に行っていた。 ある日、いつものように週一回の買い物に出かけた帰りに、ローラは駅のビュッフェで親切な医師のアレック(トレバー・ハワード)と出会う。停車場で目に入ったススをとって貰ったのがきっかけだった。こうして知り合った二人は、毎週ミルフォードの町で楽しいひとときを過ごすようになる。 ためらい、引き返そうとしながらも愛はいや増すばかりだ。 「知り合って4週間よ、話したのは先々週が初めて」 「あれから今日まで随分と長かったはずだ。違う?」 「ええ」 「もう逢うまいと何度思った?」 「1日に何度も」 「私もだ。愛しているよ。君のその目、君の微笑み、冗談に笑いころげる顔も・・・」 そしてもう一度だけ会って別れようという日に停車場でアレックが言う「許してくれ」と言うセリフには、万感の想いが込められており、見る者の胸をうつ。 「許してほしい」 「何を?」 「何もかも・・・。君と出会ったことも、愛してしまったことも、つらい思いをさせたことも・・・」 「私も、許して」 決してドラマチックではない別れのシーンだが、胸に響くものがある。名作と言われるゆえんだろうか。後の「旅情」で描かれたシーンを思い出させてくれる。 1945年 英・モノクロ 監督 デビッド・リーン 出演 シリア・ジョンスン/トレバー・ハワード/スタンリー・ホロウェイ/ジョイス・ケアリー/アルフィー・バス ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.05.24 18:27:46
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