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テーマ:男優たちの華麗な酒盛り(277)
カテゴリ:アメリカ ・ 戦争物
アメリカ、ウィスコンシン州で葬儀社を営むひとりの老人がいた。今、彼には最期の時が迫っていた。彼の名は、ジョン・“ドク”・ブラッドリー。彼は1945年、太平洋戦争の激戦地として名高い硫黄島に、海軍の衛生兵として出兵していた。しかも、その時撮られた1枚の写真によって、米国中から“英雄”と讃えられた輝かしい過去があった。"英雄”とは誰のことか、偶然旗を揚げるのを手伝っただけなのに。彼は煩悶する。国は国債を売るために”英雄”を必要としたのだ。彼は、その事について決して語ろうとはしなかった……。硫黄島で何を見たのか。父は何故沈黙を貫こうとするのか。父の最期を見守る彼の息子が、硫黄島の真実を辿り始める……。 ”英雄”として迎えられた生き残りの三人の兵士、その彼らが国債を売るための道具にされていく過程で描き出される現実、そして悲惨な戦争とのカットバック。(俺は英雄なんかじゃない。死んでいった仲間たち全てにその言葉は捧げられるべきものなのだ)。英雄の一人、インディアンの兵士の言動が彼らの気持ちを代弁する。 原作である「FLAGS OF OUR FATHERS」は、ジョン・“ドク”・ブラッドリーの息子ジェイムズ・ブラッドリーによって書かれた。彼は、父の沈黙に秘められた真実を知るため、何年もの歳月を費やし、父が見た硫黄島の真実に辿り着く。この本に感銘を受けたのは、監督したクリント・イーストウッドだけではない。既に戦争映画『プライベート・ライアン』で2度のアカデミー賞(監督賞)を受賞したスティーブン・スピルバーグも、本作の映画化権獲得に尽力し、製作に情熱を注いだのだ。このアメリカを代表する二人の映画人が、戦争に対峙するアメリカ人と彼らの喪失を真正面から捉え、あますところなく描いている。この映画は、日本人が知らなかったアメリカの苦悩と喪失を教えてくれる。これが戦勝国アメリカの姿だったのだと。 2006年 アメリカ・カラー 監督 クリント・イーストウッド 出演者 ライアン・フィリップ、ジェシー・ブラッドフォード、アダム・ビーチ、バリー・ペッパー、ジョン・ベンジャミン・ヒッキー、ポール・ウォーカー ブログランキング参加中 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.06.06 22:09:24
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