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カテゴリ:アメリカ ・ メロドラマ
ウィルスン・コリスンの戯曲の映画化で、アフリカ大陸の原始林を舞台にしたテクニカラーの冒険メロドラマだ。東アフリカの大自然を舞台に、野獣の捕獲を仕事とする男と、ショーガールと、生物学者の妻の複雑な恋愛を描く。 その1:これは大自然の中で紡がれる愛の物語だろうか? ヴィクター・マースウェル(クラーク・ゲーブル)は、アフリカ奥地で野獣を捕え動物園やサーカスに売り捌くことを業として暮らしている初老の男た。そこは週1回くる河蒸気が唯一の文明社会へのつながりだ。ある日この土地に美しい女性エロイズ・ケリイ(エヴァ・ガードナー)がやって来る。彼女は紐育のショウ・ガールで、知り合いの印度の王様の探検隊に加わるためにやって来たのだが、王様は国の騒動で1週間前に帰ってしまった後だった。 彼女は翌週の便船で帰国を待つ間に、ヴィクターに強く心を惹かれていく。 夜、部屋でヴィクターとエロイーズの会話。 「カンガルーはいないのね?」 「あれはオーストラリアだ」 「お母さんカンガルーを見たかったわ。生まれた子をおなかの袋にいれるって本当?」 「有袋類はみんなそうだ。袋があるんだ」 「まさかジッパーはないわね」 「面白い女だ、一杯どうだ」 ヴィクターはエロイーズに次第に興味を持ち始める。 その2: 猛獣たちのいる中での暮らしはどんなだろうか 1週間後、やってきた便船でエロイズと入れ違いに、英国の生物学者ドナルド・ノードリイが若く美しい妻リンダ(グレイス・ケリー)を伴って到着する。ノードリイはゴリラの生活を撮影に来たのだが、ヴィクターはゴリラに接触するのはむつかしと協力を断わった。 ノードリイはその夜熱病で倒れたが、ヴィクターの手当で一夜で快方に向った。そこへエロイズが河蒸気の故障でひきかえして来た。リンダはエロイズと逢って何か反撥する気持を覚え、ひとりで密林に散歩に出かける。それを知ったヴィクターは急いでジープで彼女の後を追う。リンダは猛獣の前にさらされ生きた心地なく、ヴィクターに救われ彼に強く魅せられた。その帰途、激しい嵐に逢い、二人は思わず抱き合うのだ。 キャンプにはその場に似合わない古いピアノが置いてあった。歓迎パーティの席でエロイズが歌いだす。 二人が出会う 麦畑 出会って キスして なぜ涙 誰でも恋人 持つものを 私には いない それでもみんな 微笑みつづける 麦畑 ヴィクターは、子供のゴリラの一対を求めるサーカスからの手紙で、ノードリイ夫妻の道案内に立つと言い出した。一行にはエロイズも加わったが、彼女はキナの駐在所で別れて帰国する予定だった。 旅の夜を重ねるにつれ、ヴィクターとリンダの仲は深いものになって行った。キナの部落につくと土人が不穏の形勢にあり、エロイズは一行から離れられなくなった。 やがて目指すゴリラ地帯に到着。ヴィクターはもはやリンダへの恋を隠していることができず、ノードリイに打明けようとするのだが・・・ その3: ゴリラの生態を見るのは面白い ゴリラが木に上って胸を叩くのをこの映画で初めて見せられた。何匹ものゴリラたちが胸を叩いて示威する行為は見事という他ない。ゴリラの捕獲は失敗に終わる。 エロイズは苦しむヴィクターを慰めようと、彼のテントで酒に酔った。たまたまその場に現われたリンダは、嫉妬に燃え思わず拳銃を発射・・・。 アフリカの大自然は実に素晴らしいものがある。珍しい動物たちの生態がドラマの随所に挿入され、作品を見応えあるものに仕立て上げている。 ジョン・フォードの演出は一応手堅くまとめてはいるものの、やはり詩情溢れる西部劇には遥かに及ばないのは残念である。 1953年 アメリカ・カラー 監督 ジョン・フォード 出演 クラーク・ゲーブル エヴァ・ガードナー グレイス・ケリー ドナルド・シンデン ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2007.11.30 12:59:15
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