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カテゴリ:アメリカ ・ サスペンス
(夫は私を殺そうとしている!?)妻の恐怖心は増幅する・・・ ヒッチコックの見事な心理サスペンス!! 数々のテクニックを駆使して、見る者の恐怖心を高めていく。暗い階段の光と影。 その1: プレイボーイと結婚した名門の令嬢は・・・ ハンサムなジョニー(ケイリー・グラント)に一目ぼれして結婚したリナ(ジョーン・フォンティン)だったが、"社交界の花形”だと思ったジョニーは実は文無しのギャンブル狂だったと判る。 「レベッカ」に主演し、脚光を浴びたフォンティンの2度目のヒッチコック作品だが、この作品で彼女は見事オスカーを手にした。夫が財産目当てで自分と結婚したのではという疑惑と疑心、愛情に揺れ動く演技が認められたのである。 結婚前の二人がパーティを抜け出し車の中でのシーン。 「車でキスしたことは?」 「冗談言わないで、返答に困るから」 「真面目だよ。・・・車でキスしたことは?」 「無いわ」 「してみたい?」 「ええ」 「本心を素直に言った女性は初めてだ」 「・・・云ってはいけないことかしら? あなたを愛しているわ」 「いけないことじゃない」 「どこへ?」 「分からん、怖いんだ。君を愛してしまいそうだ」 恋の駆け引きも見栄も、男の歓心をかおうとする媚もみせないうぶなリーナに、プレイボーイもつい本気になるシーンだ。 その2: 一歩一歩階段を上がるように恐怖が忍び寄る・・・ リーナの父親が死に、遺言に従って遺産の分配がなされるが、定職を持たず賭け事に熱中している遊び人を夫にしたリーナには、僅かな遺産しか残されなかった。 日々の出来事の中で、夫に対するリーナの疑念は募り、保険金目当てに自分を殺すのでないかと疑いはじめる。 ある日、ジョニーがリーナに聞く。 「結婚を後悔したことは?」 「なぜ聞くの?」 「ぼくと結婚していなければ、遺産をたくさんもらえた」 「くだらないわ」 「答えてくれ」 「あなたは後悔してる?」 「ただ一つ満足してること、それは君との結婚だ」 「本当?」 「本当だ、君と生涯を送りたい」 遂に夫は”毒”の研究を始める。彼女の恐怖心は急上昇、体調を崩すのだ。 暗い階段を上がって、ジョニーがリーナにミルクを持って行く。この中に毒は入っているのか、いないのか? このシーンでは影の陰影を強調し、コップの中に豆電球を入れ、ミルクだけを明るく浮かびあがらせた。 その3: 「夫は殺人鬼??」妄想に取り付かれたリーナは・・・ やがて妄想の虜になったリーナは、実家の母に会いに行くと云って家から逃げ出すが、送るといって車を運転する夫の車から飛び出そうとする。果たして夫は殺人鬼か、それとも妻の被害妄想か・・・・ 最初の設定では夫は妻を殺すことになっていたが、映画会社のRKOが2枚目のケイリー・グラントを悪役にすることを許さなかったそうである。 1941年 アメリカ・モノクロ 監督 アルフレッド・ヒッチコック 出演 ケーリー・グラント ジョーン・フォンテーン サー・セドリック・ハードウィック ナイジェル・ブルース ディム・メイ・ホイッティ アザベル・ジーンズ ブログランキングに参加中です 応援よろしくお願いします ↓ 人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.02.14 13:20:09
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