シネマに賭けた青春「夢を追いかけた日々」の想い出

時はビクトリア朝時代。80日で世界一周できるかという賭けをした英国紳士フォッグは、召使とともに旅に出る。どうすれば勝てるか？　世界を駆け巡る映像と豪華キャストが魅力の、アドベンチャー・ムービー。

”天才興行師”マイケル・トッドが放つ、世界を駆ける超豪華巨編！！

その１：　４０人以上の大スターがチョイ役で出演　わかるかな？？？

1872年、ヴィクトリア女王治下のロンドン。典型的な英国紳士でリフォーム倶楽部の会員フォッグ氏（デイヴィッド・ニーヴン）は、仲間の会員と80日間で世界一周できるかという賭けをした。発端は、倶楽部の一員、英蘭銀行の頭取が大金を強奪され、そんな大胆な泥棒なら既に海外に高飛びしているとフォッグがいったことにあった。

飛行機も汽車もない時代だ、会員諸公は気違い沙汰だといったが、フォッグ氏はパスパルトー（カンティンフラス）を従者にロンドンを気球で出発する。

風に流されてスペインへ着いた主従は、そこで船を買取り、やがてスエズに着いた。ところがスエズで英蘭銀行の強盗犯人逮捕で張込み中のスコットランドヤードのフィックス刑事（Ｒ・ニュートン）はフォッグ氏を犯人と思い、後をつけてボンベイに着いたところを捕まえようとしたところ逮捕状が未到着でガックリ。

フォッグ氏は大印度鉄道でカルカッタへ。その途中、土人に殺されようとしていた土侯の妻アウダ姫（シャーリー・マクレーン）を救い、彼女を加えた３人はシャムから香港へ出る。

「こんなにうっとり、お話を聞いたのは初めて・・・」
魅力的な紳士フォッグ氏にアウダ姫は恋の虜となる。香港に着くと、再びフィックス刑事が待構えていた。香港を離れたらもう英領内では捕まえられぬと考えたフィックスはパスパルトーを誘って協力を頼むが・・・。

この映画の楽しみの一つはどの場面にどんな大スターが顔を見せてくれるかだ。オールドファンには応えられない見ものである。ビデオを止めて、よ～く探してください。


その２：　各地で絶妙の迷演技で進む珍道中は・・・
　
「船に乗り遅れた？　次の便は１週間後だと！　待てない、泳いででもヨコハマに行く」
フォッグ氏は喚く。
パスパルトーの謎の失踪のため便船を逃したフォッグ氏はジャンクを傭いアウダ姫と支那海を渡り横浜に着く。そこでサーカス見物のフォッグ氏とパスパルトーは涙の再会。直ちに３人はサンフランシスコへ。

そして汽車でニューヨークへ。途中、壊れかけた鉄橋を辛くも渡りインディアンの襲撃で立往生した汽車の代りに陸上軌道ヨットを考案、漸くニューヨークへ着くのだ。

が、港へ行くと定期便はまさに出た後。止むなく外輪船を１隻買い、燃料不足と賭けの期限と戦いながらフォッグ氏一行は英国の港に辿り着く。


その３：　ワクワクドキドキの世界旅行　郷愁の旅　珍しい乗り物もお楽しみの一つ
　
ところがロンドンを目前に、フォッグ氏は先回りしたフィックス刑事に捕まり、80日目の最後の瞬間を豚箱の中で過ごすことになってしまう。

翌日真犯人逮捕でフォッグ氏は釈放されたが、今一歩のところで賭けを失った彼は悄然と家に戻った。そんな彼を優しく迎えるアウダ姫。フォッグ氏は全てを失ってしまったのだろうか？　賭けは果たして・・・。

パスパルトーを演じたカンティンフラスはかのチャップリンに「世界最高のコメディアン」と讃えられたメキシコの喜劇役者である。日本ではあまり馴染みがないのだが。


１９５６年　アメリカ・カラー　監督　マイケル・アンダーソン　出演　デイヴィッド・ニーヴン　カンティンフラス　ロバート・ニュートン　シャーリー・マクレーン　シャルル・ボワイエ　ジョー・Ｅ・ブラウン　マルティーヌ・キャロル　ジョン・キャラダイン　チャールズ・コバーン　ロナルド・コールマン　メルヴィル・クーパー　ノエル・カワード　マルレーネ・ディートリッヒ　フェルナンデル　トレヴァー・ハワード　バスター・キートンイヴリン・キース　ペーター・ローレ　ヴィクター・マクラグレン　ジョージ・ラフト　ギルバート・ローランド　フランク・シナトラ　レッド・スケルトン　

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