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カテゴリ:アメリカ ・ ハートウォーミング
ユーモアとヒューマニズムを描いたアメリカ映画の良心、フランク・キャプラ監督が2度目のアカデミー監督賞に輝いた名作。 純真な若者の心を表現したゲイリー・クーパーの演技は素晴らしい。 その1: ある日突然 莫大な遺産が転がり込んだら・・・ ロングフェロウ・ディーズ(ゲイリー・クーパー)はヴァーモント州のマンドレイク・フォールスという田舎町で脂油工場を経営していたが、彼の収入は絵葉書に詩を書いて得る金の方が多かった。 彼は町のブラス・バンドのチューバ吹きで、考え事をする時には必ずチューバを吹くのがくせだった。なんとも大きな管楽器で、持ち歩きには不便そうだ。 ある日、彼の亡き母の兄にあたる大富豪マーチン・センプルが自動車事故で死亡したので、ディーズは遺産2千万ドルを貰うこととなり、センプル邸の主人になった。 新聞社では彼をインタビューしようとしたが、中々会えない。ディーズはいろんなタカリ屋が押しかけて来て新聞記者に会うひまはなかったのだ。 センプル老人の法律顧問でオペラ初めいろいろな委任権を得ていた弁護士ジュン・シーダー(ダグラス・ダンブリル)は約50万ドルを横領していたので、ディーズからも委任権を得てごまかそうと考えたが、ディーズはシーダーの腹黒さに疑いの目を持って回答を留保。 その2: 人間とは誰でも人と変わっている。”変わっている”から変人?? モーニング・スター社の売れっ子女記者ベーブ・ベネット(ジーン・アーサー)は何とかして記事をとろうと、散歩に出かけたディーズの目前で舗道に行き倒れを装って倒れ、近付きになる。ディーズはこのメリイ・ドースンを新聞記者とは知らず、いつも自分が夢想している「悩める女性」だと思い込み愛するようになる。 モーニング・スター誌上には”シンデレラマン”のキャッチコピーでディーズの行状をひにくった特ダネ記事がでたが、彼はあいからわずベーブとつきあっていた。 そしてついに彼女に結婚を申し込む。あまりの人の良さに何時しか心をひかれたベーブは新聞社を辞職してディーズにすべてを告白しようとする。しかしディーズは告白を聞く前に彼女の素性を知り打ちのめされた。そして全財産を失業農夫2千名に分けあたえる計画に着手した。 センプル老人の甥にあたるセンプル夫妻はシーダーと結託して、ディーズを狂人だと言い立て、彼から財産を横領しようと提訴する。 その3: 愛こそが何ものにもまさる勝利者! かくしてディーズが狂人であるか否かを決定する審問が開かれたが、失恋したディーズは自暴自棄で、シーダー弁護士の有力な証拠提出にも全然自己弁護をしなかった。 そのため彼は狂人として禁治産者となり、病院に収容されそうな形勢になる。いまはディーズに深い思いを寄せているベーブは、見るに忍びず立ち上がってディーズを弁護する。 「彼が禁治産者なら私たちもです。彼は誠実で立派な人です」 「彼を愛しているんだね」とシーダー。 「愛してます」 「証言は無価値です」 彼女の愛を知ったディーズも、終いに立ってシーダーが提出した狂人なりとする証拠を一々論破していく。 「聞いていると私のチューバが問題になっているが、チューバを吹くことがおかしいなら、演奏家は皆、狂人だ。私は考え事をするとき、チューバを吹く癖がある。人はそれぞれいろいろな癖をお持ちだ。耳を引っ張る癖、爪を噛む癖、電話で喋りながら落書きをする癖、無くて七癖だ。次はフォートナー姉妹に聞きたい、私のことを変奇人といったが、故郷の町で他に変奇人はいるかね?」 「私たち以外は、全部変奇人よ」 ディーズは農場計画について話す。 「坂を先に登ったものは、まだの者を助けるべきなんだ。船を漕ぐのがいやになった者と溺れている者のどっちを先に助ける? 10歳の子供でも答えはわかる」 ディーズは更に云う。 「シーダーは開廷前、私に取引を申し出た。正気と見てるからだ」 裁判長はディーズの正気を言い渡した。 かくてディーズは愛し合うベーブと相抱いたのであった。 キャプラ作品はいつも心が拭われるようだ。それにクーパーもいいが、ジーン・アーサーが実に素晴らしい。 古い映画だが、ぜひ一見していただきたい。 1936年 アメリカ・モノクロ 監督 フランク・キャプラ 出演 ゲイリー・クーパー ジーン・アーサー ジョージ・バンクロフト ライオネル・スタンダー ダグラス・ダンブリル レイモンド・ウォルバーン A HREF="http://blog.with2.net/link.php?338357">人気blogランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.09.28 19:27:45
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