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テーマ:男優たちの華麗な酒盛り(277)
カテゴリ:サ~ソ
ジャック・パランス、彼は「シェーン」の決闘場面につきる。コーヒーをうまそうに飲み、やおら立ち上がると黒い手袋をはめる。
また、スイング・ドアから外に出て、農民のエライシャ・クック・ジュニアを抜く手も見せず射殺する。ぬかるみにブッ倒れたクック・ジュニアをひややかに見下ろすパランスには、演技とは思えない凄さがあった。 噂の殺し屋の鮮やかな登場場面だったと思う。「シェーン」以後、同じタイプの殺し屋役をやってないのは、この場面を観客の目に焼き付ける意味でも賢明だ。 西部劇史上に煌めく決闘名場面に必ず出てくる「シェーン」での対決。この場面をもう一度振り返ってみたい。 ○ 酒場の中 「銃を置いて話をしようか」とライカー。ライカーは殺し屋ウイルソンの雇い主だ。 「まだだ。お仲間に話がある」カウンターに手をついたシェーンがいう。 一隅のテーブルに座ったウイルソン、テーブルのコーヒーを飲み干し、 「図に乗るな」と立ち上がる。 そして、ゆっくり黒手袋をはめ、身構える。 「獲物はおまえじゃねえ」とウイルソン。 「お前がウイルソンか」 「それがどうした」 「噂は聞いた」 「どんな噂だ?」 「(身構え)卑劣なヤンキー野郎だってな」 「抜けよ」とウイルソン。 一瞬、ウイルソンが抜くより早くシェーンの拳銃が火を噴く。 ぶっ飛んで斃れるウイルソン。 シェーン!カムバック 少年のあの声は今もなおこだまする...【シェーン】 彼は1919年2月18日、ペンシルベニア州Hazle Townshipで生まれる。1940年代はプロボクサーで、第二次世界大戦中はB-24のパイロットとして従軍した。 火災で怪我を負って顔に整形手術を受け、大戦後はスタンフォード大学で演劇を学んだ。 1950年に「暗黒の恐怖」で映画デビュー、1953年の「シェーン」でアカデミー助演男優賞にノミネート。その強烈なアクの強い個性は、たちまちハリウッドを席巻し、世界中からも注目の的となっていく。 50年代後半は、異色戦争アクション「攻撃」に主演。この映画でも強烈な印象を残している。ドイツ軍との戦いで頼りない上官を狙う下士官を演じ、敵の戦車に片腕をもぎ取られても、残る腕で銃口を向ける鬼気迫るシーンは忘れられないものがある。 以後は、「地獄の戦場」「ガンマン大連合」「バグダッド・カフェ」など、悪役ばかりではなく、精悍な指揮官役やクセのあるヒーローなど、他の俳優が演じられないような難しい役柄をこなしていく貴重な俳優として映画界に羽ばたいた。 1991年の「シティ・スリッカーズ」ではアカデミー助演男優賞を受賞した。その際、片手腕立て伏せを披露したパフォーマンは語り草となっている。 2000年代に入ってからもTV、映画両面で活動を精力的に続けたが、2006年11月10日、老衰のためカリフォルニア州の自宅で死去。享年87歳であった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.12.04 13:55:12
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