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テーマ:男優たちの華麗な酒盛り(277)
カテゴリ:ア~オ
アレック・ギネス、彼はナイトの称号を貰ったイギリスが生んだ名優である。彼を思うとき、真っ先に出てくるのは「戦場にかける橋」であろう。
イギリス軍捕虜たちは高らかに口笛を吹きながら、堂々たる行進で日本軍の収容所にやってくる。汗と埃にまみれた軍服、破れた靴、連日の強行軍で疲労はピークに達しながらも全員胸を張っての行軍だ。その先頭に立つのはアレック・ギネス扮するニコルソン大佐。 この映画の要になる大佐の姿を思い出す人は多いことだろうと思う。失いかけていた誇りと尊厳を取り戻すために、イギリス軍捕虜たちは密林の奥地に橋を完成させていく。 「後世にこの橋を渡る人々はおもうだろう。それを造ったイギリス軍はとらわれの身でも、奴隷に身を落とさなかったことを・・・」 この言葉の中に作品のテーマが見事に集約されている。 戦場にかける橋 彼は1914年4月2日、イギリスのロンドンで生まれた。若い頃は広告の仕事をしていたが、演技に興味を持つようになり研鑽、オールド・ヴィック・シアターの舞台に立つようになった。 第二次世界大戦中は海軍に身をおき、除隊後、映画に出演し始め、イギリスきっての名優として知られるようになった。 「戦場にかける橋」では57年度アカデミー主演男優賞を受賞。1980年には名誉賞も受賞している。また、「アラビアのロレンス」のファイサル王子や「スターウォーズ」旧3部作(エピソード4~6)でオビ=ワン・ケノービ役を演じていたことでもよく知られている。 アラビアのロレンススター・ウォーズ トリロジー 3枚組 彼の作品としては他に「ブラザー・サン シスター・ムーン」「ローマ帝国の滅亡」「マダムと泥棒」「カインド・ハート」など多数ある。 1970年代以降は個性的なバイプレイヤーとしての活躍が目立っている。「名探偵登場」でのコミカルで怪しげな盲目の執事役や、感動作「リトル・プリンス」の厳格ながら温厚な祖父役など、演技面の幅広さとアクの強さを堪能させてくれた。 晩年は病のため殆ど映画には出演せず、2000年8月5日、肝臓癌で亡くなった。享年86歳であった。 私生活では浮いた噂もなく、1936年に結婚し、愛する妻に看取られて別れの階段を上がって行った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2009.12.24 12:38:12
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