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テーマ:男優たちの華麗な酒盛り(277)
カテゴリ:サ~ソ
ジョージ・ラフト、彼は血も涙も出ない冷血感を漂わせるギャング映画の大物役者だ。
車から降り立つスパッツを履いた足のUP。ばらばらと降りるギャングの手下たち。マシンガンを敵対するギャングに突きつけ壁に向かって並ばせる。 スパッツを履いた男が合図する。「バリバリバリ・・・!」マシーンガンが火を噴く。倒れる男たち。”聖バレンタインデー”の虐殺シーンである。 車の陰から見ていた二人のバンドマン、震え上がって逃げ出す。見つけたギャングが銃撃する。パトカーのサイレンの音が響く。急発進するギャングの車。九死に一生を得た男二人、ギャングの目を眩ませるため、女装して女性楽団に身を隠す。 お熱いのがお好き ご存知、「お熱いのがお好き」の重要場面である。この映画は喜劇だ。でも見方を変えれば、恐怖映画であり、サスペンス映画であるともいえるだろう。 この作品で監督のビリー・ワイルダーはギャングのボス役、ジョージ・ラフトの不気味さとダンディさを強調するためにスパッツを印象づけているようだ。 靴カバー”スパッツ”は「暗黒街の顔役」でラフトが共演したポール・ムニがつけていたもので、ダンディな男の象徴だったという。 また映画の中でギャングの手下がコインを指ではじく仕草は「暗黒街の顔役」でラフトをスターにした芝居を取り入れたそうである。 冒頭、もぐり酒場の取締りシーンで酔っ払いがラフトのスパッツに酒をひっかけ汚してしまう場面があるが、手下のギャングにつまみ出された酔っ払いの運命はどうなるのだろう。不気味だ。 また、ホテルでギャング団の会議があるが、「ハッピー バースデー・・・」の歌で大きなケーキから出てきた機銃の男、居並ぶボスどもをつるべ撃ちする。平然と見ているラフト。 ホテル2階の部屋から植木を伝わってホテル脱出を企てるジョーとジェリー、だが、窓からギャングの目がハイヒールに吸いつけられる。二人の命は風前の灯・・・。 ジョージ・ラフト、彼は1903年9月24日、ニューヨーク・マンハッタンのヘルズ・キッチン生まれ。両親はドイツ系アメリカ人。 オウニー・マドゥンやベンジャミン・シーゲル、マイヤー・ランスキーといった後にギャングとなった人物たちと共に育つ。 若いころからダンスをしており、ニューヨークのナイトクラブで踊るようになる。それがきっかけで舞台に立つようになり、ブロードウェイにも出演した。 1929年にハリウッドに移り、映画に出演するようになる。特に1930年代、ジェームズ・キャグニーやエドワード・G・ロビンソンと並んでギャング映画に多く出演した。 出演作品には、「暗黒街の顔役」「ボレロ」「皆殺しのバラード」「殺しのミッション」などがある。 結婚は1回、1980年11月24日、77歳で天国に上った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2010.03.11 13:52:38
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