JENA T 50mm F2.8
レンズ構成は3群4枚、最短撮影距離50cm、絞り羽根枚数6枚、レンズ重量155g、最小絞りF22、フィルタ径φ49mmで、JENA T、つまり東ドイツ製テッサーです。
第二次世界大戦後のドイツ東西分裂の時、アメリカ軍によってツァイスの従業員の一部は西のハイデンハイム市に移送させられ、東西に2つのツァイスが存在することとなったそうです。
西のツァイスは1年後、ハイデンハイムより16km北方の小さな村オーバーコッヘンにあった廃工場を利用し、レンズの生産に取り掛かかり、会社名を OPTik OberkocheN から取ってOPTON、ツァイス・オプトンとしたそうです。
一方、東ドイツのイエナに残された従業員たちはソ連の指導に基づき、イエナ・ドレスデンなどのツァイスの工場、施設、設備機器、現場担当者(マイスター)、多くの熟練工を接収し、戦前の名前を引き継ぎ東ドイツ・ツァイスを人民公社組織 VEB (Volks Eigene Bertrieb) Carl Zeiss Jenaとして再出発させることにしたんだそうです。
その後、ツァイス・オプトンは東のカール・ツァイスと商標権を争うため法廷闘争を起こし、遂に1953年、「カール・ツァイス」の商標を勝ち取ったんだそうですが、その商標権争いのため、その当時の東独ツァイスの一部のレンズは"Carl Zeiss Jena"を名乗らず"aus JENA T"というような表記のレンズが見られるんだそうです。
テッサーといえば最短撮影距離35cmとかなり近接撮影できることで有名ですが、これは50cmしか寄れないタイプで、それにちょっと好奇心をそそられて、ついつい買ってしまいました。(^^ゞ
テッサーにもいろんな年代があるようですが、これはいつ頃ものか調べてもよく分かりませんでした。
普段よく見かける"aus JENA"じゃなく"JENA"としか書いていないので、商標権争いがよっぽどもつれた頃のものなんでしょうか。(^-^*)
我が家にある縞々ゼブラのテッサーと同じくM⇔A絞りスイッチがなく、絞り連動ピンと絞り込みスイッチがついているタイプなので同じ年代かもしれないし、それともフレクトゴンの初代と2代目の最短撮影距離が違っているようにこれもちょっと古い年代かもしれないし謎のままです。(^^ゞ
テッサーにはF3.5のもあるみたいですし、歴史あるレンズだけにデザインも仕様も様々でいろんなタイプのものがあるようですね。私の収集癖をくすぐる、なんだかちょっと怖いレンズでもあります。(^^;ゞ
ちなみにテッサーは、ドイツのイエナ市にあったカールツァイス社の技師パウル・ルドルフ(Paul Rudolph 1858~1935)と、彼の助手エルンスト・ヴァンデルスレブ(1879~1963 Ernst Wandersleb)によって1903年に開発された名レンズだそうです。
当時無収差と言われていた3枚レンズのトリプレット型の後玉を、2枚張り合わせたレンズに変えることによって3群4枚としたもので、これによって均質性、コントラスト、特に切れ味のシャープさが優れていたため鷹の目テッサーと言われたんだそうです。
テッサーのレンズ構成図です。
ギリシャ語で1、2、3、4、5は、エナ、ディオ、トゥリア、テッセラ、ペンデとなり、レンズの枚数が4枚というところからギリシャ語の4=テッセラからTessarと名付けられたそうです。
Tessarは1903年の発明から1世紀以上経て、ずっと前に特許が切れている現代にもまだ生産され、レンズ枚数が少ないのでコンパクトデジカメによく使われるんだそうです。
このレンズの絞り開放で、紫陽花を撮ってみました。(^^)
ハイパーマニュアルモード、絞りF2.8、1/200、WB太陽光、ISO100、MF
ハイパーマニュアルモード、絞りF2.8、1/250、WB太陽光、ISO100、MF
ハイパーマニュアルモード、絞りF2.8、1/250、WB太陽光、ISO100、MF
ハイパーマニュアルモード、絞りF2.8、1/200、WB太陽光、ISO100、MF
開放からシャープでかつ柔らかさもある写りで、鮮やかで深みのある色合いと美しいボケ具合はさすがテッサーですね。(*^^*)
噂にCarl Zeiss Jenaと表記されているものに比べてaus JENA Tの方がシャープな写りだと聞いたことがあるんですが、さて本当なのかそのうち撮り比べてみたいです。(^-^*)さて、今日は主人の帰りがいつになるのか分からなかったので、ひとりご飯で軽く日本酒を飲んだだけでした。 明日の帰りもいつになるか分からないようで、しばらく美味しいワインはお預けのようです。(^^; |
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