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February 16, 2009
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カテゴリ:自作真空管アンプ
構想中の単段プッシュプル・ヘッドフォン・アンプ
前日で青写真が出来上がったので、いよいよ真空管の選択に入る。
どんなタマ(真空管をこう呼ぶ時もある)を使うか??
アンプ設計段階での、楽しみの一つである。

前回の日記にも書いたが、コストダウンとコンパクト化の為、
パワートランス・レスとして商用電源AC100Vを直接、半波若しくは半波倍電圧整流とする。
整流後の電圧は130V260V付近なので、この電圧で特性の満足できるタマが先ず前提。
低電圧領域、若しくは高電圧領域でのリニアリティーの良いタマとなる。

次に単段増幅となるから、タマにはある程度内部抵抗が低くμとgmの高さが要求される。
仮に出力トランスのインピーダンス比が8kΩ:16Ωだとすると、
巻き数比は(8000/16)の平方根:1だから22.4:1である。
つまり1次側の電圧は1/22.4=0.045倍になってしまう。
増幅度が25倍だと、ゲインは1倍強で目標値に近い。
なら1次インピーダンスを1kΩとかにすれば、確かに巻き数比は減る。
しかし負荷抵抗が低くなるのでタマの動作としては重くなり、
同じタマを使った場合ゲインは落ちる
オマケにダンピング・ファクタも落ちる
タマには最適な負荷抵抗値があるので、ここから先はプレート特性曲線とにらめっこ。

にらめっこする前に、コンパクトさ追及の点からタマは双三極管を前提。
ヒーター電力も大食漢は避けるようにする。
ヒータートランスが大きくなると、何の為にコンパクト設計するのか解らなくなってしまう。

12AU7内部抵抗が7kΩ前後と高く、最適負荷抵抗は20kΩ前後とみられる。
これだと出力トランス1次側の巻き数が多くなり、高域特性が悪くなってしまう。
出力トランスは1次側最高で10kΩを予定している。
2次4Ωに36Ωのヘッドフォン接続して、1次2.5kΩのトランスを22.5kΩとして使う・・。
あまりにも強引過ぎて、バッカスの設計ポリシーに反してしまう。
2次側は大きくて2倍のインピーダンスだな・・。
ハイ、12AU7ボツ。(12AU7は好きな真空管なんだけどなぁ)

5687は頑丈でリニアリティーも良く、高gm。
だがヒーターが6.3V900mAとかなりの大食漢!
6L6と同じじゃん!!
名残惜しくもパス・・。

そんな感じで辿り着いたのが6922(6DJ8)
内部抵抗の低さ(2.5kΩくらい)、μとgmが比較的高いし\も現行品だとリーズナブル。
ペアや双極マッチドで売っているお店もあるので、
プッシュプルのペアリングで数量を揃えなくても済みそうだ。
コイツには電流を出来るだけ多くを流したいので、
AC100Vを半波整流してプレートには130Vを与える方針。
260Vの動作ではプレート損失1.65Wの関係からプレート電流6mAが最大で、
この領域はリニアリティーも悪く内部抵抗も高いので使えない。


6922のプレート特性曲線に、4kΩ付近のロードラインを引いて動作の検証↓


6922HPA2 LOADLINE.jpg


ロードラインを引いてみると4kΩ前後が丁度良さそう。
今回のプッシュプルでは巻き線の中点を交流的にアースに落とすので、
1次側はその4倍の16kΩが要求される。
8kΩ:16Ωのプッシュプル・トランスは各社から出ているので、
16Ωに36Ω繋げて18kΩとして使ってみることとする。
お~、だいぶ固まってきたゾ。
出力トランスの選定は、後日としよう。





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Last updated  March 2, 2009 01:10:03 PM
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