|
テーマ:真空管アンプを作ろう!(897)
カテゴリ:自作真空管アンプ
構想中の単段プッシュプル・ヘッドフォン・アンプ。
前日で青写真が出来上がったので、いよいよ真空管の選択に入る。 どんなタマ(真空管をこう呼ぶ時もある)を使うか?? アンプ設計段階での、楽しみの一つである。 前回の日記にも書いたが、コストダウンとコンパクト化の為、 パワートランス・レスとして商用電源AC100Vを直接、半波若しくは半波倍電圧整流とする。 整流後の電圧は130Vか260V付近なので、この電圧で特性の満足できるタマが先ず前提。 低電圧領域、若しくは高電圧領域でのリニアリティーの良いタマとなる。 次に単段増幅となるから、タマにはある程度内部抵抗が低くμとgmの高さが要求される。 仮に出力トランスのインピーダンス比が8kΩ:16Ωだとすると、 巻き数比は(8000/16)の平方根:1だから22.4:1である。 つまり1次側の電圧は1/22.4=0.045倍になってしまう。 増幅度が25倍だと、ゲインは1倍強で目標値に近い。 なら1次インピーダンスを1kΩとかにすれば、確かに巻き数比は減る。 しかし負荷抵抗が低くなるのでタマの動作としては重くなり、 同じタマを使った場合ゲインは落ちる。 オマケにダンピング・ファクタも落ちる。 タマには最適な負荷抵抗値があるので、ここから先はプレート特性曲線とにらめっこ。 にらめっこする前に、コンパクトさ追及の点からタマは双三極管を前提。 ヒーター電力も大食漢は避けるようにする。 ヒータートランスが大きくなると、何の為にコンパクト設計するのか解らなくなってしまう。 12AU7は内部抵抗が7kΩ前後と高く、最適負荷抵抗は20kΩ前後とみられる。 これだと出力トランス1次側の巻き数が多くなり、高域特性が悪くなってしまう。 出力トランスは1次側最高で10kΩを予定している。 2次4Ωに36Ωのヘッドフォン接続して、1次2.5kΩのトランスを22.5kΩとして使う・・。 あまりにも強引過ぎて、バッカスの設計ポリシーに反してしまう。 2次側は大きくて2倍のインピーダンスだな・・。 ハイ、12AU7ボツ。(12AU7は好きな真空管なんだけどなぁ) 5687は頑丈でリニアリティーも良く、高gm。 だがヒーターが6.3V900mAとかなりの大食漢! 6L6と同じじゃん!! 名残惜しくもパス・・。 そんな感じで辿り着いたのが6922(6DJ8)。 内部抵抗の低さ(2.5kΩくらい)、μとgmが比較的高いし\も現行品だとリーズナブル。 ペアや双極マッチドで売っているお店もあるので、 プッシュプルのペアリングで数量を揃えなくても済みそうだ。 コイツには電流を出来るだけ多くを流したいので、 AC100Vを半波整流してプレートには130Vを与える方針。 260Vの動作ではプレート損失1.65Wの関係からプレート電流6mAが最大で、 この領域はリニアリティーも悪く内部抵抗も高いので使えない。 6922のプレート特性曲線に、4kΩ付近のロードラインを引いて動作の検証↓ ロードラインを引いてみると4kΩ前後が丁度良さそう。 今回のプッシュプルでは巻き線の中点を交流的にアースに落とすので、 1次側はその4倍の16kΩが要求される。 8kΩ:16Ωのプッシュプル・トランスは各社から出ているので、 16Ωに36Ω繋げて18kΩとして使ってみることとする。 お~、だいぶ固まってきたゾ。 出力トランスの選定は、後日としよう。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[自作真空管アンプ] カテゴリの最新記事
|