昨日の産経新聞をめくっていて、あるコピーに目が貼りついた。
「女性にすがりたい」が男の本音
三浦展著「下流社会 第2章」の書評欄である。
なんでも一万人の男性対象に大規模アンケートを行い、分析したところによると
「正社員には夢がない」
「妻にも年収300万以上稼いでほしい」
んだそうな。
え~、
朝はあったかいお味噌汁、夜帰れば三つ指ついてお出迎え が理想
じゃなかったっけ!?!?
女性の価値観分析もある。
「既婚/未婚」「子あり/子なし」などの様々な軸を持ち出して
女30歳の勝ちパターンを分析したところによると
『未婚で非正社員で一人暮らしの女性』がもっとも希望にあふれている ということになるらしい。
これって、2、3年前「負け犬」とかネーミングされ、散々揶揄されてた人たちじゃありませんか。
まったく、流行が言うことなんて当てにならんねっ
話は変わるが、
私の所属する会社は、俗に言う「総合職」「一般職」という
学歴で分けるカースト制みたいのが未だ生き残っているのだが
この秋から、ダイバーシティ(多様化)・女性活用推進の名目で、
一般職は希望に応じて総合職に移籍できることになった。
定かな数は不明だが、身近なOLさんにヒアリング調査したところによると
移籍を希望した人は やはり未婚・子なしカテゴリが多いようである。
未婚・子なしの方々には
「もっと認められたい」「もっと権限を増やしたい」
「こき使われるばかりでなくこき使ってみたい」(おっとこれはコシヒカリだけ?)
などと、仕事に対する向上心が高い人が多いように思う。
言い換えれば、エネルギーのやり場を職場に求めているのじゃないだろうか。
いっぽう、既婚/子なしor子あり の方々で移籍を希望した人は少ない。
移籍しなかった人の理由は(たぶん)明白である。
移籍すれば責任が増える、転勤があるなど ライフスタイルの変更を迫られる可能性が多いからである。
言い換えれば、エネルギーは家庭やプライベートに向ければいいので、会社にそれほど比重を置いていない。
「責任のない仕事だって、やれることをこつこつやって、それに見合うお給料をきちんと毎月もらえればよいじゃない」という感じだろうか。
日々の向上心はあるが、それによって劇的な変化を求めていないタイプ。
お若いのに「退職金をたくさんもらえるならさっさと辞めたーーーい!!」と
白昼堂々フロアで叫いらっしゃる方も、こっちのグループ。
OLの地位向上を旗印に掲げたコシヒカリなので、前者の「向上心むき出し型」にはずいぶんと肩入れをしていたものであるが
最近、「平民で結構 僧侶や貴族は面倒だよ」
という考え方にも、ずいぶんと共感するようになった。
だって9時から働いてビタ一文残業せずに5時31分には退社し、
6時から寝るまでは自分の自由な時間。
その時間を使ってジムに行けばウエストは細くなるし、勉強すれば株で大もうけできるし、
ビーズ作って売って商売すれば会社が立ち上がるし、楽器の練習をすれば音大に入学して芸術家の仲間入りができるし、
合コンに行けばステキな彼氏が見つかるじゃない!
だのに、
会社でブイブイ言わせたい、そんな訳のわからない欲求のために会社に多大な労力を食われる道を選んでしまった。
イノシシだから目の前しか見えない。
希望に満ちあふれる女性と呼ばれるには、何かいま一歩足りない道を歩む
いつも流行に乗れそうでイマイチ乗りきれないOLコシヒカリは女の幸せを求めて今日も思索にふけるのである。
ああ、話がずれましたが
「下流社会」面白そうなんでそのうち読んでみようと思います。
男の幸せは、もっと深刻なのかなー。