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2009年01月11日
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舞台は日本の龍神伝説が息づく山村。
村で唯一「龍人の力の影響を受けない」特異体質を持った・カイは、ある日、半龍のハルと出会う。
二人は、カイに同化してしまった「宝珠」の外し方を聞くため、
村を出た龍人様・白夜を追って夜の山を旅していく。
カイとハル、二人の旅は初めてづくしで、いつもケンカばかりだけれど、
相手を想う気持ちは、ホントなんだ……。
少年と龍が織りなす夏の叙情詩、上巻。優しい気持ちになりたいあなたへ贈ります。


現代日本が舞台で、普通の服を着て普通に過ごす人々が生活する村。
ただ、その村には美形の竜神様が居て、その村には力が満ちているという、
ちょっと不思議な感覚が面白いな~と好きになりました。

その竜神様は序盤で村を離れてしまうわけですが、
数百年そんなことはなかった一大事に、人々は大慌てします。
で、カイとハルは連れ戻しにいくために後を追うので、
物語の殆どは村の外の、旅の道中のお話になります。

カイはその体質のせいと龍神にものすごく気に入られているという境遇で、
昔から子供の輪に入れなかったりと村に溶け込めなかったし、若い。
ハルの方も生きている年月は長くても、
半龍なので力が弱くてずっと誰にも見えず、聴こえずという一人っきりの生活だったため、
コミュニケーションを取ってきた経験がほとんどない。
そんな二人なので、うまく気持ちが伝わらなかったり、
どこか歪んだ執着があったり、まどろっこしいものを抱えていて……。

お互いが大切なのに、すれ違いの重なる二人の姿は見ていてとってもじれったいです。

龍神の加護と龍神の記憶を失った村、そしてそれに気づいていない村人という
結末は私には寂しいものでしたが、
物語としては納得のいくものでした。
やっぱり寂しいですが。。。

ボリューム的には上下巻(下巻には元となった読みきりが収録)でちょうどよかったと感じました。
これより長くても短くても微妙だったかなぁ、と。
読み応えもあり、メッセージもしっかりしていてとっても好みの本でした^^

あまり語られなかった龍神様サイドのお話もかなり気になるので、
また他の機会に描いていただけると嬉しいなぁと思います^^





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最終更新日  2009年01月11日 14時01分42秒
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