鎌倉の時間　傍らにある音楽

このレコードは彼女達がアメリカ市場向けに製作した全編英語による作品。エレンコ・レーベルに残した諸作の別テイクが収録されており、希少な作品だ。セールスも芳しくなかったのであろう。あまり見かけない作品だ。

崇高なまでに高められた彼女達の美しいコーラスワークはここでも健在だ。作品も中盤に差し掛かり,大好きな「Bye Bye Blackbird」が流れると、至福というか、胸一杯の気持ちになる。

大手レーベル、ワーナーが力を貸しており、エレンコのモノートーンなデザインに比べ、淡いカラー写真が用いられている。人の姿も少ない静かな海辺で、彼女達が鳥をモチーフにしたカイトを空高く揚げようとする叙情的な趣のジャケットが本当に素晴らしい。

まだ朝の早い時分には、鎌倉の海でもこんな風に穏やかな風景に出会える。