カテゴリ:建築&ナショナルトラスト日誌
談話室(1)概観編 綿業会館建設の着工は、昭和5年3月、竣工したのは昭和6年12月だ。 (同年秋には大阪城の復興天守閣が落成している。) そして、昭和7年1月1日に開館した。 翌年(昭8)大阪はついに英国ランカシャーを抜いて、綿製品輸出世界一となった。 綿業会館は、大阪が「東洋のマンチェスター」と呼ばれるようになった 綿業の黄金時代に建設された、日本の第2次産業隆盛期を象徴する建築である。 中でも最も豪華な部屋とされる「談話室」を、今日から3回に分けてお届け♪ 談話室は英国ルネサンス初期のジャコビアン様式。 ルネサンス様式を基調に、直線的に構成されたデザインである。 キャビネットや椅子などの調度には、挽き物が用いられている。(後日に紹介) 6階建ての3階から4階部分まで吹き抜いた、高い天井。 正面左手壁面に、見所のひとつ、ウォールタペストリーが見える 中央に暖炉。といっても実用ではなく、マントルピースと煙道は装飾のようだ。 左手に、歴代の綿業倶楽部会長の肖像画が見えている。 暖炉上部(煙道)の装飾 ヨーロッパの教会を髣髴させる。パイプオルガンのようなデザインだ。 木製のようだが、竹を思わせる挽き物形状で、凹凸部に石彫のような光沢がある。 談話室内にある階段。この階段を上ると、図書室があるらしい。 上部踊場の持出し梁には、見事な立体的彫刻が施されている(後日も紹介)。 イオニア風渦巻き文様とコリント風アカンサス文様?等のコンポジットオーダーだ。 横から見ても美しい階段 軽やかなのに、格調高いデザイン。 英国ジャコビアン様式の壁面は、渡辺節設計の「乾邸」にもみられるデザインだ。 同じく英国ジャコビアン様式の華麗なる柱と梁。(笑) 天井まで貼られた清水焼のタイルタペストリーも圧巻だ。 美しい3連窓は、ワイヤー入り耐火ガラス製。梁部の彫刻も独特だ(後日紹介)。 この窓のおかげで、船場オフィス街にも壊滅的な被害をもたらした大阪大空襲でも、 綿業会館だけは、ほぼ無傷で焼け残ったという。 馬の親子の彫刻 これ、一見木製だと思ったけれど…写真でみるとやはり石彫っぽい。 レッドトラバーチン(赤大理石)製かな? 談話室の入口 ちょっと椅子やテーブルが混雑してるけれど、普段はもっと広々してるみたい。 今回は食堂でリサイタルをするために、ここに運ばれてきたのかも。 うーむ…しかし雰囲気出てる♪♪ 明日以降につづく\(^:^)/☆ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
February 13, 2007 01:35:27 AM
[建築&ナショナルトラスト日誌] カテゴリの最新記事
|
|