私と猫と編み日記-幸せな女と思われたい-

予定時刻は６時
あとわずかで僕らは別々の道
君は僕の後ろ
涙ぐんで下を向き歩く
やるせない想いだけで
石コロ蹴飛ばしてみても

いつからなんだろう
お互い素直になれぬまま
大切に思うほど
大事なことが言えなくなって

サヨナラバスは　もうすぐ君を迎えに来て
僕の知ることの出来ない明日へ
君を連れ去っていく

サヨナラバスよ　どうか来ないでくれないか
やっぱり君が好きなんだ

サヨナラバスは君を乗せて静かに走り出す
手を振る君が少しづつ　遠くへ行ってしまう
立ちつくす街並み　一人ぼっちには慣れてるのに
どうして涙が止まらないんだろう

サヨナラ　サヨナラ
また笑って話せるその日まで
僕は僕らしくいるから





これは「ゆず」の「サヨナラバス」
という歌なんだけどもね。

関門橋を渡ってる時に
ウォークマンから
タイミング良くも悪くも流れてきまして。

また会えるって信じているのに
なんだか、
今のあたしの気持ちにぴったりで
不覚にも、
涙を浮かべてしまった。

楽しい旅だった。
いい時間だった。

１４時間、掛けてやってきた距離は
やっぱり１４時間掛けて帰るのだ。

あたしは再び、
長距離バスの席に座って
窓の外を見ている。

あたしの大好きな東京に帰るのだ。

それなのに、
あたしは今
この関門橋を飛び降りてしまいたい気持ちでいる。

あんなに好きだった東京が
少し、色あせて見える。

唐津に住んでいる彼女は
『東京に行きたい』と言う。

だけど
彼女は、そう言いながらも
唐津を
ちゃんと大切にしている。

あたしは、
東京が大好きなはずなのに
いつも、どこか遠くへ行きたいと思っている。

結局
大切なのは
何処に住んでいるのか
ではなく
どう生きるのか
という事なのだ。

あたしはどうして
こんな簡単なことに気が付かないで
今まで東京に執着してきたのだろうか。


ある意味、出会い系で
出会った彼女は
もう、出会い系でもなく
仕事の関係とかも越えて
あたしの、大切な友達になりました。