滅多にスポーツの話題は書かないのですが、今日は大好きなフィギュアスケートの話です。
私はスポーツの中でも採点競技を観るのが大好きです。
フィギュアスケート、体操競技、新体操、シンクロなどなど。
もともとはバレエが大好きで、人間の身体の極限の美しさを表現するこれらのスポーツを見ると、勝ち負けを超えて、ただただ美しい、素晴らしいと感動するのです。
(余談ではございますが…私自身も採点競技を長く続け、以前は2つの審判の資格も持っていました。ただ、審判は小さな試合でも圧力があることを感じ、以来引き受けなくなり、そのまま資格更新せずに消滅させてしまいました…。)
今年のフィギュアスケートは、オリンピックや世界選手権での日本人選手の活躍が素晴らしかったですね。
特に世界選手権での浅田真央選手と高橋大輔選手の優勝は本当に嬉しかったです。
私はかれこれ30年近くフィギュアスケートを観ています。日本人選手で最初の記憶に残っているのが渡部恵美さん。伊藤みどり選手があこがれていた選手です。
以来、世界選手権やオリンピックは放送があると知ったときは必ず観ていました。
今回の世界選手権は、国内では録画放送が多かったので、私はライブでインターネット中継をしているサイトを探し、現代の恩恵にあやかってライブで世界選手権を楽しませていただきました。(RadioCanadaさん、ありがとうございました!)
そんなこんなで、過去の名スケーターたちの演技もインターネットで堪能できるようになった今日この頃。
私が今まで最高に感動した演技のいくつかをご紹介したいと思います。
素晴らしい演技は時を越えて感動を与えてくれるものだと思います。
ぜひぜひ、氷上の最高のパフォーマンスをお楽しみ下さい☆
最初に、プルシェンコ選手が2004年のロシア選手権で優勝したときのFS「ニジンスキーに捧ぐ」です。
バンクーバーでしか彼の演技を知らない人が見たらきっと驚くことでしょう。
旧採点方式で芸術点でオール6(満点!)を出したときの圧巻の演技です。
私もバレエ通というほどではないのですが、ちょこっと解説を。
曲目にある「ニジンスキー」とは伝説のバレエダンサーであり、振付師です。演目としては「牧神の午後」や「薔薇の精」が有名なのですが、このプルシェンコの「ニジンスキーに捧ぐ」というプログラムは、こうしたバレエの実際の振り付けを取り入れた芸術作品でありながら、4回転3回転3回転という、最高難度のジャンプを完璧に降りているのです。
また、この曲のヴァイオリンは、かの有名な名器、ストラディバリウスが奏でています。
プルシェンコ選手の素晴らしい演技だけでなく、美しい音色もどうぞご堪能ください。
プルシェンコ選手はこの演目を滑る前には「天界のニジンスキーと交信できますように」と祈りを捧げてリンクに降りていたそうです。
とにかく、フィギュアスケートが好きという方にはぜひご覧いただきたい素晴らしい演技です。(この動画の中では比較的画像の良いものを探しましたので、よろしければ拡大画面でどうぞ♪)
<2004年ロシア選手権
エフゲニー・プルシェンコ選手 FS「ニジンスキーに捧ぐ」>
最後に浅田選手のコーチでもあるタラソワ先生も写っていましたね♪
この当時のプルシェンコ選手はすでに身体はボロボロだったそうです。膝の半月版もなかったと記憶しています。それでも、腰を痛めていながらも男子選手では誰もやっていなかったビールマンスピンやドーナッツスピンを披露してくれています。本当にスゴイ、の一言です。
ちなみにプルシェンコ選手はまた5月にも手術を予定しているそうです。オリンピックも痛み止めを打ちながら出場していたのはあまり報道されていませんでしたよね。
もうこれ以上身体を無理させないで、身体を大切にして欲しいなぁ、と思う反面、こんな素晴らしい演技をまたいつか見せてほしいとも思ってしまう複雑な心理のファンなのでした。
次は、氷上のバレリーナ、オクサナ・バイウル選手の演技です。
白鳥の湖の調べにのって、本当にバレリーナが氷の上で踊っているようです。
リレハンメルオリンピック(優勝)での彼女の演技は今でも忘れられません。
浅田選手のトリプルアクセルを見慣れてしまった方には、このプログラムのジャンプは少し物足りないかもしれません。また、旧ルールのため、スパイラルやステップもじっくり魅せるプログラムではありません。でも、曲が始まって動き出した瞬間の手足の動きを観てみてください。美しい演技がお好きな方は、きっと楽しめることと思います。
<オクサナ・バイウル選手 SP「白鳥の湖」>
余談ですが、バイウル選手は孤独で貧しい子供時代をすごしています。
そんな彼女の経済支援を行ったのは、ヴィクトール・ペトレンコ選手。氷上の貴公子とも言うべきスケーターで、私が大好きな選手です。今はジョニー・ウィアー選手などのコーチをしています。
後日知ったことだったのですが、プルシェンコ選手はペトレンコ選手に憧れ、非常に尊敬していたとのこと。はじめてペトレンコと話す機会があったとき、プルシェンコ選手は我を忘れて弾丸トークしたそうです。(笑)
最後にご紹介するのは、先のトリノの世界選手権での安藤美姫選手のFS「クレオパトラ」です。
彼女の演技は4回転を決めたジュニア時代からたくさん見ていますが、個人的には今回の演技が最高に良かったです☆
でも、なぜ最近テレビでも放送されたばかりこの演技をご紹介するのかというと…
日本の放送では、彼女の一番美しい笑顔を映さなかったからです。
海外での動画もかなり観ましたが、すべて彼女の素晴らしい笑顔を「アップ」で撮ってくれています。(あろうことか、日本での放送では後姿だったのです!)
3分16秒あたりなのですが、本当に美しい彼女の笑顔がアップで観られます。^^
3分48秒あたりのストレートラインステップに入る前は、笑顔のモロゾフコーチとアイコンタクトをしているのでしょう、その後のステップの笑顔のなんと素敵なことか。
スケートを滑る喜びや幸せに満ち溢れ、本当にスケートを楽しんでいるのが伝わってくる素晴らしい表情です。
女子では初めて公式戦で4回転を成功させ、ギネスブックにも載っている安藤選手。時が経ち、ジャンプの申し子といわれた彼女はこんなにも素晴らしい表現者になったんですね。ただただ、感動です
国内の放送では観られなかった、彼女の極上の笑顔と浅田選手に次ぐ高得点を出した演技「クレオパトラ」をどうぞお楽しみください。
<2010年世界選手権 安藤美姫選手 FS 「クレオパトラ」>
スケート好きな方にも、そうでない方にもお楽しみいただけましたらとっても嬉しいです。
本日もご覧いただきましてありがとうございました。
皆様のご健康とご多幸を心よりお祈りしております