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「本人(vol.10)」 太田出版 (6月11日発売) <本日2度目の更新> ■愛し合ってるかい?~キング・オブ・ロック 忌野清志郎~【再放送】 NHK総合 6月10日(水)翌日午前1:40~翌日午前2:30(50分) ■ SONGS 忌野清志郎ライブ完全版 【再放送】 NHK総合 6月11日(木)翌日午前1:40~翌日午前2:30(50分) 清志郎がこの世からいなくなって、 約1ヶ月が過ぎていきました。 清志郎が亡くなった翌日、 私はお客さんが読んでるスポーツ新聞の見出しに 泣きそうになっていたし、 清志郎のことをよく話していた編集者の友人に 久々に連絡を取ってみたりしました。 清志郎のお通夜の日、 自身のツアーでたまたま日本にいた坂本龍一や 憔悴しきったチャボこと仲井戸麗市、 黒ジャケット、黒タイにジーンズを履いた糸井重里etc. まだ10代だったイナカモノの私のスターだった人々が 次々と弔問に訪れるのを見て、 本当に大きな人が虹の橋を渡ったんだとつくづく思いました。 未だにNHKの再放送があったり、 清志郎の登場する雑誌が発行されたりしています。 私もやっと泣かずに見られるようになってきました。 亡くなった直後にはコメントを控えていた人が 今やっとコメントを発表したりもしています。 ほぼ日の「今日のダーリン」は、 アーカイブに残ることなく消えていく糸井重里氏の言葉です。 糸井さんが清志郎について語ったことが 消えてしまうのは惜しいと思うので、 携帯の画面保存から備忘録としてここに記録しておきます。 糸井さんが5月下旬の日曜日毎、 ミサに行くように思い返して書いた言葉です。 ----------------------------------------------------------- 【2009年5月24日(日)の今日のダーリン】 既製服を、仕立てられたもののように着こなす。 そういうことが、ことばの世界でもあります。 たとえば、「おまえが好きさ」というのも、 「愛しあってるかい」というのも、 どこにでも転がっている安価な既製服です。 そして、それを、ほんとうに見事に着こなすと、 なんだかとても素晴らしいものになります。 ありふれたものを、 素晴らしいものにまで輝かせるためには、 安っぽい既製服であることを、わかっていて、 そのことを隠さずに着こなすことが大事です。 その安い既製服をメディアにして、 そのうえに、じぶんだけのたましいを載せるのです。 どんな服でも、おれが着たら、おれの服なんですね。 若い人というのは、そうやって、 じぶんを伝えるんだと思うのです。 それをロックと言うのかもしれないです。 道端に落ちているものに、じぶんのなにかを乗せて、 「なんだかすっごいもの」に変えちゃうなんて、 誰にでもできるはずで、なかなかできることでもない。 道に落ちている石ころが、心臓に当たれば、 人が倒れてしまうくらいの力になります。 忌野清志郎という無口な人が、 「ありふれたことば」に乗せた、 豊かで若々しいたましいは、 ぼくにもずいぶんだくさん当たって、 ぼくは何度も倒れました。 やっと、好きだった歌を聴いたり、 歌詞を思い出してみたり、友人と語ったりが、 できるようになりました。 しかしなぁ、誰かが「いなくなる」なんて思って、 ぼくらは生きてないものなぁ。 ひとりのファンとして、この先も、 キヨシローくんのいいところを発見し続けたいです。 音楽は、生きているまま、ぜんぶ残ってますから。 日曜です。今日も来てもらえて、うれしいです。 ----------------------------------------------------------- 【2009年5月31日(日)の今日のダーリン】 バンドマンという「職業」があります。 正式に職業欄に書くようなものではないでしょうが、 あることはわかっています。 その最高位に君臨するのが、 「ローリングストーンズ」だろうと思います。 楽曲をつくったり、それを演奏したりして生活します。 どういう生活をしているのか、よくは知りませんが、 いかにも若い人にうらやまれそうな暮らしに思えます。 ぼくも、実際には無理だと知っていましたし、 本気でなろうともしなかったのですが、 「バンドマンになりてぇなぁ」とは思いました。 バンドマンという職業は、生き方でもあるわけで、 自由で、危なっかしくて、陽気で、キツイ・・・・らしい。 大儲けをしたり、むちゃくちゃにモテたり、 社会の規範から逸脱したり、社会に排除されたり、 友情やら裏切りやらを濃いめに味わったり、 なんだかとにかく人生を面白く生きている・・・・らしい。 ビートルズの擬似ドキュメンタリー映画だったり、 ローリングストーンズのツアーを追った映画だったり、 セックスピストルズを撮った映画だったり、 バンドマンの「生き方」をのぞき見る機会は、 すいぶんいっぱいあります。 バンドマンとして生きていきたいなぁと、 本気で思った人が、 ほんとうにバンドマンになるのかもしれません。 「RCサクセション」というバンドは、 バンドマンという「生き方」を いちばん多く歌ったバンドかもしれません。 実際にバンドマンになってからも、 このバンドは、バンドマンに憧れていたように思えます。 ちょっとだけバンドマンになりたいと考えた、 ぼくのようなハンパな人間は、 「RCサクセション」を見たり聞いたりしながら、 バンドマンという「夢の生き方」を、 疑似体験していたんでしょうね。 それは、60歳になっても、できることなんです。 おかしなもんでしょう? 日曜日に、なにか日曜日らしいことをしますか? 今日も「ほぼ日」に来てくれて、ありがとうっ。 ----------------------------------------------------------- 【重版予約】 忌野清志郎1951ー2009 本人(vol.10) ロックな生き方 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
Jun 11, 2009 12:23:18 AM
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