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カテゴリ:洋画(さ行)
原題: POTICHE 監督: フランソワ・オゾン 出演: カトリーヌ・ドヌーヴ 、ジェラール・ドパルデュー 、ファブリス・ルキーニ 、 カリン・ヴィアール 、ジュディット・ゴドレーシュ 公式サイトはこちら。 東京国際映画祭では特別招待作品に入っており、 チケットの高さ&今年公開決定のためそこではスルー・・・ と思ったら、 ドヌーヴさまご来日&舞台挨拶とのこと。 あらー、TIFFで観とけばよかった? でも昨年2月に、生ドヌーヴさまを遠目で拝見させていただきましたので、 それでいいかな~。 お歳を重ねてもなお美しいドヌーヴ様、素敵でした。 考えてみればここのところドヌーヴ様の作品が次々公開というのも ほんとうれしいことです。 『隠された日記 ~母たち、娘たち~』(「Femmes@Tokyo」にて鑑賞) 『クリスマス・ストーリー』 (「フランス映画祭2010」にて鑑賞) そして暮れに鑑賞したばかりの『Ricky』に引き続いての、 フランソワ・オゾン監督作品というのもこれまたうれしいー。 彼の作品はそんなに見てないんだけど、あとは『ぼくを葬る』ですね。 だらだらしてなくて、コンパクトにまとめていて、あっさりと必要なエッセンスを入れているオゾン作品は結構好きです。合うかも。 昨年公開の上記2作品も、そして本作もそうなんですが、 最近のドヌーヴ様の役のパターンが決まりつつあって、それは明らかに 「嫁いだ娘がおり、孫もいる女性」なんですよね。 まんまでもあるけど・・・。 その中で必ず出てくるのは「ママみたいになりたくない」という 娘世代からの反発。 実の母と娘の関係って難しいですよね。 認めてもいいのに素直に認めない、ほめられない。 かと言って 意地を張っている訳でもない。 でもライバルだから、みたいな。 自身も娘を持ち、またその娘とも同業なだけに、 このあたりはお得意の役なのでしょうね。 オゾン作品は、どこか「ふんわり漂っている」印象があるのだけど (『Ricky』なんてまさにそうでした)、 これもそんな雰囲気がたくさんある。 まず、可愛いのです。 ドヌーヴ様が。 社長が倒れたので急遽社長夫人にお願いします、なんて時でも、 しっかりと自分流の装いをして現れ・・・ それが本当に可愛らしいのです。 お年を召して幾分優しい感じが出てきた彼女が身に纏うパステルカラーの 衣装。 それもただ甘いだけじゃなくて、ちゃんと伏線が貼られているのも、 何ともオゾン監督らしいと言いますか・・・。 傘の会社、なーんてところもちゃんとふんわり、ふわふわしてますし。 衣装って言えば、この作品、全編に70年代テイスト(というか70年代のお話なんで)で、 娘のジュディット・ゴドレーシュの衣装なんてもう、 ピンクのボックスプリーツスカート(!)に同色の細ベルト(!!)なーんて あったあった的なコーデだし。 ジェレミーくんの、ピタってしたズボン(パンツとは言わないw)にセーターとかも、 よく探すよねえっていうよりももう、ここのあたりの組み合わせのうまさなんてすごく ツボを刺激されました(笑) 衣装だけじゃなく、お話もそうでした。 タイトルの "POTICHE" =「飾り壺」のように、「なにもしなくていいから」という 人生を送っていたスザンヌ。 一躍経営者として、お飾りな日々は脱出するものの、 そのままずっとほんわかと行くのか・・・? ではなく、 ちゃんと一波乱ふた波乱用意されてる。 この場合、ジェラールとかルキーニとかジェレミーは取り合えずいるっちゃいるけど、全然問題じゃなくって (オトコたちの方が、この映画の場合は「お飾り」です)、 女同士のよもやまに持って行かれるんですよね。 ここはすごいなー。 ずーーーっと、旦那様の言うことを聞き、 旦那様のけしからんことを見て見ぬふりをし、大人しく生きてきたスザンヌが、 そんなに羽ばたいちゃうなんて! って、思わないこともないのですが(笑)、 それってある意味、女たちの願望? かもしれませんね。 「男とは、一時、はしかのように好きになる生き物」くらいにしか 扱っていない所が、なんか痛快。 世界は私のために、さあみなさん、ご一緒に~! ってなことができるのも、 やっぱりドヌーヴ様だからなのですね。 その貫録、艶っぽさ、まさに彼女のための映画なんだけど、それが 全く気にならない。 ふんわりと、でもしっかりと、可愛いのです。 フレンチポップスもほんと可愛かったですよね。 今日の評価 : ★★★★ 4/5点 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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