カテゴリ:RS異聞記
近隣の村や町から、保護を求め殺到した者たちを砦の中へ入れた際、
そのあまりの人数に一人一人の素性を確認できなかった時点で、 勝敗は決していた。 難民たちに紛れ入り込んだ間者が、影のようにうごめき 深夜、内側から門を開け放った。 難攻不落と言われていた砦もこうなれば脆いもの。 外で待っていた敵が一斉になだれ込む。 すでに非戦闘員の方が多くなっていた砦はパニックとなった。 放たれた火矢は、文字通り雨のように降り注ぎ、 本来は闇の中に隠されたはずの砦を赤々と照らし始めた。 「火が、火が・・・」 「こっちはダメだ、窓から飛び降りろ!」 「押すなよ、俺が先だ!」 四方から迫りくる炎に、逃げ道を断たれた人々は、 唯一外へとつながる窓に向って殺到した。 ここは3階。 飛び降りて無事で済む保証はない。 「ええい、どけ! オレが先だ!」 剣を槍を振り回し、我先に窓へと辿り着こうとする者がいた。 「飛び降りて動けない奴の上に飛び降りるんだ、そうすりゃ助かる」 そう叫び、前にいたものを突き落としてから飛び降りる者がいた。 「落ち着いてください、こちらに集まってください」 数人が必死で呼びかけるが、振り向くものすらほとんどいない。 「あなた・・・」 「仕方ない、動ける範囲でタウンポータルを出してくれるか?」 若い剣士は天使の妻にシマーリングシールドをかける。 「はい」 天使は、なんとか場所を見つけると 古都、アリアンなどへのポータルを作り始めた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2010年05月08日 01時25分02秒
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