昼間、ちょっとした用事があったので会社から家に電話した。
出たのは女の子。自分はお姉ちゃんだと自覚があるのだろうか。年相応な口調でちゃんと受け答えをするのが頼もしい。
私はちょっと悪戯心で声色を変えて話しかける。私の演技が上手いのか彼女がまだまだ鈍感なのか、こちらの正体に気付かない女の子。結局私が種明かしをしたところで電話の向こうで大笑いする彼女。
奥さんと替わってもらって用件を済ませた後、続いて少年が電話口に。開口一番彼が口にした台詞は、
「もしもし~、おばあちゃんよ~」
そばで奥さんが大受けしているのが聞こえる。私が女の子に対してやったことを彼なりにアレンジしたらしい。
最近おばあちゃんと電話で話したばかりだもんな~。狙いどころは悪くない。しかしな~、実際にそれで笑えるかと言うと~、お父さんはイマイチだな~。
少年、5歳と3ヶ月。
出来ること、奇をてらって笑いを取ろうとすること。
出来ないこと、相手の裏の裏を突く笑いの工夫。
奥さんにそう言うと、なんか納得できない様子。
確かに彼は君のレベルは超えてます。
しかしそれで満足していたら上は狙えね~んだよ!
って、どんな上よ?...