ご店主の選択 (2)
金曜日の日記の続きです。この居酒屋のご主人にどんなお料理を出しているのか訪ねると、「さしみ」と「軽く炙った串焼き」。生で召し上がっていただくものではないですか!では、なおのこときちんとお話して、私たちのことを理解して戴かなくては!私たちが商品化しようとしたとき、解決したいことがありました。どの農場のダチョウを、どこで、どうやって食肉にしたのかを明確にできるか。生食の提供は問題ないのか。流通の形態と方法………普通の冷凍処理では、解凍したときのドリップ(水分)が多くでてしまうこと。(このドリップというのは、細胞が壊れることで出てくる肉汁のようなもので、肉の中に含まれる旨みまで流れ出てしまいます。)私の会社で扱っている日本オーストリッチ事業協同組合から生産されるダチョウ肉は、製品のパッケージに貼ってあるラベルを見ると、どの農場から出荷されたどのダチョウで、いつ、どこで処理された、どの部位かが分かるようになっています。生食で提供できるよう食肉処理場では、地元の保健所の協力の下で定期的な衛生検査を行います。 また、食肉処理場に持ち込まれたダチョウは農場毎に血液を採取しています。肉の細胞を壊さず冷凍できる冷凍機を設置したので、解凍時にはドリップのほとんど出ずチルドと同じ状態になります。また薄皮を剥く処理も済ませているので、これで、歩留まりはほぼ100%。食肉は重量あたりの価格で売買されるわけですから、解凍したときドリップが重量あたりの10%~15%もでてしまえば、例えばkgあたり3、000円の肉は3,333円~3,529円で購入したことになってしまいます。見かけの購入価格と実際には開きがあることになります。これらを説明すると、ご主人はこれなら安心して使えるし、他社と比較しても高くは無いと判断して決めてくださいました。 ありがとうございます。消費者の立場から言っても、こういうことに価値を見出してくださるお店は安心ですよね。この楽天でも人気のブログ「女将、今日も走る!」の「おまかせキッチンあらかし」さんも、この安心と美味しさを認めてくださってます。有りがたいです。