だちょう肉を食べるということ
現在の食料自給率の低さを知って現状のままでいいと思っている人は、本当に少ないだろう。自分はどうしたらいいのだろうかと考えたとき、国産のものをできるだけ購入しようと思う。では、本当にそれだけいいのだろうか。農水省の食料需給表を見ると 平成15年度の日本における牛肉の年間消費量は一人あたり6.2kgです。仮に月4回牛肉を食べたとすると 1回に食べた量は129gとなります。この1回を国産品に換えただけで人口約12,700万人ですから ここに約16,400トンの消費が生まれます。この1度の半分をダチョウ肉に換えたとしたら、1回65gですよ。それだけで約8,200トンの市場ができるのです。ここに大きく立ちはだかる価格の問題と、日本で作られていれば本当に国産なのかという問題もあります。食生活の中から 肉をなくすことができない私ですから、『食べるならどんな肉にしようか』ということは大きな要素です。ダチョウの飼育と同じように、輸入の濃厚飼料に頼らない畜産(牛の肥育)を続けている牧場もあります。どんな産業でも消費者の後押しがなくては産業は発展しません。後押しがあれば、生産が促され価格はおのずと下がってきます。しかし、工業製品を製造するように経済性ばかりを優先させた農業や畜産を続けていくことは、次の世代に負の財産(再生不能な日本の農業、食料を他国にゆだねなければならない危うさ)を残すことになるでしょう。購入者の意識の変化こそが、産業を大きく左右します。持続可能な地球環境と安全な食料の供給元をまもることもできるようになります。ものを選ぶということはそこに購入者の意識が反映されることだと思います。価格という一つの要素(安ければいい、高ければ高いほどいい)から離れた別の見方が変化を生むとおもいます。ハリウッドの著名人が、多くの人の集まる場所にトヨタ車でくるように。『ものを持つなら、どんなものと持とうか、持ちたいか』