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カテゴリ:中小企業の生きる道
多くのビジネスや業種では、ターゲットとなる年齢層やシーズン性が多少ともあるものです。
15年前まで家業として泉州の地場産業だった綿織物製造業を営んで、主に衣料(ファッション)用途の布(生地)を織っていました。 基本的に素材(糸)が綿でしたので、春夏向けなので布を織るシーズンとして秋から冬(10月~3月)がシーズンでした。 という事は、4月~9月がシーズンオフとなるのです。 バブル崩壊後、取引先の総合商社が繊維部門の川上(糸)と川中(織物)のリストラとインポートへのシフトで川下を強化したり、3国間貿易を増やし投資会社へのシフトで、繊維業界全体の在庫調整や定番織物の廃止などで増々納期が短縮化され発注ロットも小さくなり採算が年々悪化し、2005年には「もうダメだと」と廃業を決断し、翌年2006年に計画通りに廃業しました。 何億円も掛けて工場を新設し最新鋭の織機(エアージェット)に全て設備更新してから、20年間355日24時間エンドレス操業をしてきて、もうこれ以上頑張りようが無かったのです。 2008年がリーマンショックでしたので、後になって胸を撫で下ろしました。 無理して2年頑張っていたら・・・と思うと。 そういう意味で、15年前の織物業からトランクルームへの転業で、2月から4月が多少荷物の動きがある程度で1年を通してシーズン性があまりない事と、織物の多品種小ロット生産でコロコロ「品種替え(タテ替え)」をしなくて済む事に幸せを感じるのでした。 それほど、シーズンオフの時は毎日翌月の仕事の心配をしなければならない事が如何に心臓に悪い・・・かを。 タテ替えのたびに軽トラックに完全に重量オーバーの「チキリ(ビーム)」を積んで、強化サスペンション&デュアルエアバック付きの軽トラでも正面衝突すれば完全に圧死というプレッシャーを抱えながら、ハンドルをフラフラさせながらアチコチの「縦(へ)通し屋(下請け)」さんに往復していた日々・・・がホント懐かしいです(自社にドローイングマシンがなかったので)。 シーズン性の問題だけでなく、「1反だけ織ってくれ」といった大赤字になる試織にも対応せざるを得ない時や、A反を出荷したのに染工場のミスでマーケットクレームで返品させられたり・・・今で言うパワハラみたいのを下請けの立場でしたので、何も言えず全て請け負ってきました。 極めつけは、1着20万円の有名ヨーロッパブランドのレディス・サマースーツの織工賃がたった300円だった事で、川下ファッションブランドの完全コントロール下にある繊維業界でいくら織物(染色前の生地)だけで頑張っても無駄だと悟った時です。 「これだけ頑張っているのに、オレの価値がそんなに低いのか?」と怒りを通り越して、アホらしくなりました。 アパレルや商社に織屋が完全にナメラレテいるのですが、同業者であるイタリアの織屋がアパレルも兼ねているのを考えると、残念ながら何も言えませんでした・・・(涙)。 どう考えても、このまま頑張っても徒労だと・・・まだ残っている40代だった自分のパワーを「違う方向(トランクルーム)」に向けた方が、納得できる人生が送れるだろうと考えるのは自然な事だと思いました。 繊維業界の大きな渦に巻かれて何が何だか分からずズルズル仕事をするより、エンドユーザー相手のハッキリした需要に新たなビジネスチャンスを見つける方が得策だと悟ったのです。 まぁしかし、トランクルーム転業後にさらに起業した不動産仲介業は別にして、自社運営の「スタジオ0724」「貝塚卓球センター」「テレワーク&スタディ貝塚」は殆どシーズン性がない事に感謝しかないです。 それどころかスタジオ顧客の年齢や性別も、男女比は半々より多少女性が多い程度で、10代と20代で70%を占めますが、30代から60代までから大体万遍なく来られている事にホント感謝しかないです。 営業時間も朝から夜まで(6:00~24:00)で、テレワークと卓球場は朝から夕方まで、スタジオは夕方から夜に集中しますが、3つともバランスよく時間配分出来ています。 更に農業やアミューズメントパークのような天候に左右されるビジネスではない、インドアビジネスなのが助かっています。 それとファミリービジネスに最も大事なのは、会社経営に複数の兄弟を一緒に入れないという事と経理を従業員に任せずに経営者自らがするという事です。 これは70年前の織物創業当時は父親を入れて3人兄弟が一緒に会社に入っていて、経理も他人である従業員に任せていて上手くいかなかったからです。 会社の規模が大きくなると、そうせざるを得ない部分がありますが・・・そこは経営者として非常に難しい判断のしどころです。 まぁこの一連の経緯や経験を、私が小さい頃から父親の背中から1つ1つ学んでいたのです。 コレを帝王学と言えば聞こえがイイですが、子供ながら心を痛めたものです・・・(涙)。 という事で、スタジオやテレワーク室や卓球場経営で別に意識してた訳ではありませんが、結果的に「オールシーズン&1日18時間営業&老若男女」対応ビジネスで、精神的にも非常に助かっています・・・(汗)。 織物時代にシーズンオフの夏に、大阪船場の繊維街を毎週金曜に、汗を噴き出しながら悲壮な気持ちで商社や紡績を駆けずり回っていた自分が・・・ホント懐かしいです(涙)。 受注できなければ夜はミナミでヤケ酒を、受注できればミナミで祝杯を・・・これが家内から「あんたはミナミの帝王やなぁ・・・」と、名越村のみんなから「トオルくんは金曜の夜は名越でいやへんどォ・・・」と言われていた所以です・・・(笑)。 「トランクルーム貝塚」「スタジオ0724」「貝塚卓球センター」「テレワーク&スタディ貝塚」 「 貝塚不動産.com」 大阪府貝塚市名越661 tel:072-446-0798 mail: info@sasatani.com にほんブログ村 にほんブログ村 にほんブログ村 大阪府 ブログランキングへ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2021.11.26 10:36:31
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