笑われる日本人。
あなたが海外在住、もしくは旅行などで外国に一歩踏み入れれば「単なるアジア人」として認識されることになる。お目の高い殿方などは、私達の着ている洋服や持ち物で「日本人」として認識してくれるかもしれないけれど大抵の外国人は、日本・中国・韓国の国籍の違いなど区別できない。はじめに、「笑われる日本人」の話。ある日私がバスに乗り込むと日本人の女の子2人が後ろのほうに乗っていた。バスは次のバス停で止まりそこで数人のモロッコ出身イタリア在住と思われる中学生が4人ほど乗り込んできた。この中学生達は日本人の女の子を見つけたとたん「ニイハオ、ニイハオ!」と話しかけ始めた。こういう同郷の友達と群れる移民の子は、イタリアにいても隅のほうに追いやられそのフラストレーションをかよわいアジア人をからかうことで発散したりするのである。日本人の女の子2人は見るからに語学学校生。モロッコ人中学生はしつこく「ニイハオ」と言い続けている。いいかげん、女の子は「No, io sono Giapponese!」(私は日本人です!)と、可愛く反撃した。すると私のすぐ後ろに座っていたイタリア人カップルがクスクスクスと笑って「聞いた?”日本人です!”だってよ。」とモロッコ人と日本人のやりとりにウケていたのである。私はこれを全て聞いていてこのモロッコ人中学生達が次のターゲットに私を選ばないことを祈りながら外を眺めていた。ここでの問題は、全く笑われる筋合いのない日本人が第3者の手によって笑いものにされた点である。さて、あなたならどうする??・無視・反撃という2つの手があるけれど、一度うろたえてしまった後の無視もウザいし反撃も笑われたのである。私は奥の手で・韓国人になりきるというワザも心得ているけれど、これは物事に動じやすい方にはオススメできない。なぜなら上記のようなからかい目的の声掛けの第一声から無反応でいなければならないから。☆実践☆全くあさってのほうを向いて無関心を装うことで「日本人」でも「中国人」でもないヤツラモロッコ人の未知の世界である「韓国の人」になりすましてみる。彼らはまだ「韓国語」を知らないため、声掛けガッツも空しくオズオズと諦めて去っていくのだ。日本人が笑われるケースとして・TPOをわきまえずに写真を撮ってしまう・笑う必要のないところで思わずジャパニーズスマイルでごまかしてしまう・なんでもかんでもルイ・ヴィトンなどが挙げられるが外国に住んである程度客観的に「日本人」を見つめられるようになれば「笑われない日本人」にいくらでもなれるハズ。しかし、見かけが静かそうだからなのか移民としてはまだ歴史が浅いアジア人だからなのかとにかく「からかいの声掛け」から逃れられず第3者の手によって「笑いもの」にされたら心外なDeliziaなのである。ハイ、次。「Deliziaに声を掛けた男の悲劇」いつもバスで一緒になるアルバニア出身風の男性がいていやらしい目で「コンニチハ、コンニチハ。」と私に声を掛けてくる。降りるバスの停留所が一緒なので降りた後もニタニタとイヤらしい目で私を見ながらコンニチハと言い続ける。ご近所さんなだけにストーカーに豹変されても困るのでいつも徹底的無視を決めこむDelizia。ある日、買い物を済ませて乗り込んだバスにその男を発見。彼もすぐさま私を発見し、いつものごとく「コンニチハ」攻撃が始まった。しかしその日は私のすぐ後ろにDelizia夫がいたのである...。「オマエ、コンニチハってなんだよ、うちの妻の知り合いなの?」とDelizia夫。「え、知り合いじゃないけど...ただ挨拶しただけだよ。」「なんで知り合いでもないうちの妻に挨拶する必要があるわけ? じゃあ、なんでまわりのみんなにチャオ、チャオって言わないわけ?」全くもって同感である。挨拶したけりゃ他大勢のイタリア人にも挨拶してみるがいい!このアルバニア人は他にも友達3人を連れていて最初はヤツラと夫4対1で、ずいぶんとデカい態度で臨んでいたアルバニア陣もクチでは誰にも負けないDelizia夫を前にだんだん萎縮していき最後は全員が黙りこくってDelizia夫からお説教を受ける始末。(←しかも夫、声デカイ)私はヤンヤヤンヤうるさいのに耐えられず前方の席へ逃げ込みこの喧騒に耐えれば「コンニチハ攻撃」から開放されると胸をなでおろした。最後に、か弱き日本人へ送る「Delizia流反撃」最近雨が降ったりやんだりの不安定なお天気が続くフィレンツェ。雨が降り出すと共にワラワラと街にあふれ出す傘売りの人達。大抵が中国人かアフリカ系不法滞在者である。その日も突然雨が降ってきた。シニョーリア広場を横切っていた私にいかにも「モロッコの田舎から出てきたばっかり」の青年が「傘、傘いらない?」と私に折りたたみ傘を売り込みにきた。私は「No,grazie.」(いりません。)と言って歩みを止めなかった。しかし、この青年しつこい。生きていくためには売らなければいけないのか?私の後をついてきて売り込みを続ける。私は3度目に断った後、まだ売り込み続けるモロッコ人に「イスクトゥッ!」(黙れ!のアラブ語)と一喝。ギョッとする青年。その後ワケわからないことを喚きながら逃げて行ってしまった。あぁ、スッキリ☆Delizia流反撃・ヤツラの母国語で一喝する 日本人が何故アラブ語を~っていう意外性が◎アラブ語イスクトゥッ!はお母さんが子供に「静かにしなさい!」っていう時にも使う言葉。アラブ語圏のしつこい男には覚えておいて一喝してやるとビビること請け合い。