パフパフ・サマー・カミング・スーン!
コトの発端は「こうも暑いとビヤガーデン行きたいっスよねぇ」という営業マンの一言から始まった。この事務所は現在、男濃度実に100%。まさに濃縮還元男汁状態だ(意味不明)来週になれば女性社員が来てくれることになっており、彼女がすでにこの事務所で働いていたなら今日のこのあとの展開にはなかったはずだ。「こっから一番近いビヤガーデンってドコ?」「調べましょうか」ネットで検索するヤツ。「銀座?大手町?新橋?」あてもなく頭に浮かんだ地名を並べるヤツ(←オレ)「確か新橋になかったっけ?」「…パフパフ」……。は?「パフパフですってよ。ここ」ネット検索してるヤツが言う。みんなが彼のパソコンを取り囲む。そのブラウザに映っていた画像は、なかなか面妖な絵柄だった。かなり大きなオムネを持つパツキンさんが、どうやらビヤガーデンに来てたらしい男性客の顔をその巨大なオムネで挟んでいるでわないか。もちろん、パツキンさんは「マッパ」だ、マッパ。画像のキャプションには『セクシーショウ』とか書いてある。「こ、これは…。」「このビヤガーデンは、ガイヂンさんがパフパフしてくれるらしいんスよ」「パフパフかぁ…」オレはこの少ない人数の事務所ではあっても、本部から来た担当役員として真っ昼間からオフィスでワイ談で盛り上がっているコトや、あろうことか「パフパフ画像」をパソコンに映している状況に目をつぶるワケにはいかなかった。毅然とした態度でこう言った。「高いのか?そこ」我ながら的を得た質問だ。さらに追い打ちをかける。「(来週から来る女性社員が)来てからじゃ行きにくいだろうから今週中って、どう?」オレの言葉にメンバー達はノロノロと手帳やスケジュール表を目で追っ掛けるフリをしながらも、でも「ええ」とか「はい」などと参加の意志だけは妙に素早く伝えようとしている。まるで「とりあえず表明だけはしておいて、スケジュールの調整はあとで辻褄を合わせりゃいいや」なんて声が聞こえてきそうな素振りだが、これは気のせいだろう。実は、事務所のメンバー中で今週一番忙しいのは間違いなくオレのはずで非常にヤバイ。や。なにがヤバイのか自分でもサッパリわからないのだが。そもそもビールが飲みたいとかってハナシでわなかったか。なんか変だ。パフパフ。