ゆうやけこやけ
今日はちょっと早く帰れた。電車の中でがたごと揺れながらふと窓の外を見ると・・・一面の朱。もうそれからは自分の駅につくまでずっとわくわく。早く外に出て空を見上げたい。きっとステキなはず。だって空も建物も全部赤色に染まってるんだもの。駅についてホームに降りて。でも空は見えにくい。早く改札を出なきゃ。頑張って歩いてみる。挙動不審にならないくらいに。ねえ、待って。もう少しだけ。ホームの端から端に歩いている間に陽が翳っていろのがわかった。できるなら。あと少しだけ。綺麗なもの見たい。きっとこんな東京でも。綺麗と思えるものはあるはずだから。改札を出てすぐ。空は赤色ではなかったけど。藍に染まりかけていたけど。でも、見えた。昼と夜の一瞬の隙間。今日この夕日に、心打たれた人は多かったんじゃないかな。