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カテゴリ:ブラジルあれこれ
ブラジルには犬が多い。
飼い犬だけでなく、野良犬もあふれており、 街のPRACA(広場)を群れになって横切っていったり、 焼肉やホットドッグのテントの周りを、 物欲しそうに坐って眺め、ひとかけらでも落とすのを待ち構えていて、 チャンス!とばかりに拾っていく。 野良猫や飼い猫は日本ほど見かけない。 野良犬がパダリア(パン屋さん兼カフェ飲み場)や ランショネッチ(喫茶店のようなもの)内に入ってきて、 「Sai Cachorro!! (出て行け! 犬公め!)」 店員に箒や布でパシッととられているのもよく見る光景だ。 (こういうとこにドアがなく、開けっ放しなので、簡単に入ってくる) 「cachorro!」 (男に向かって、あるいはcachorra!女に向かって) というと、女にだらしない男に向かって投げつけられる”畜生!” といった感じの意味でよく使われる。 逆の場合もある。 この獣め! というニュアンスがあるといったらいいだろうか?! 前の日記で犬の発情期のことを書いたけど、 まさに、犬は犬、Cachorroなんだなあ、と思う出来事が、 夜な夜な起こっている。 うちの土地内で飼われているのは、 シロとクロ、子犬のライカ。 このほかに、 土地内に住む隣人の犬が3匹、 姑宅には ベートーベンという名のシェパード(♂)と 雑種のコロ(♂)がいる。 敷地内は広いので、 ほぼ放し飼いになっている。 姑宅はフェンスで囲われており、その中で放し飼いにしている。 それでも、姑宅のベートーベンは、癖が悪く、 脱走してお隣の敷地内に侵入し、ごみを散らかしたり、 夜中に吠え立てたりして苦情が来ているので、 奴はまるで陸上部員の筋トレ時のように、 首輪に鎖がつながれ、 おもりとして?タイヤが結び付けられている(笑)↓ そんなことをしても何もならないと思うのだが、 義兄がそうしている。 この姿はこっけいで、鎖につながれたタイヤをズルズルと引きずりながら、 敷地内を駆け回り、草取りの効果も得られている。 はじめは重たそうだったが、筋力も鍛えられてのか、 お構いなしに走り回って苦になってないようだ。 さて、このベートーベンもまた発情期。 なんとしても飛び出して生きたい時期なのだろう。 以前泥棒が侵入したときに切断されたフェンスの穴から、(いまだに放ってある) タイヤをつけたまま、外へ飛び出すようになった。 穴はどんどん広がり、簡単に外へ出れるようになってしまった。 そして、夜な夜な我が家へやってくるのである。 ジャーラララッという鎖とタイヤが地面をすれる音とともに、 ワンワンキャンキャン犬の吠え合いがはじまる。 シロにはクロという伴侶?がいるが、 ベートーベンともやっている。 横でクロ(♂)が吠え立てる。 子犬はビックリしてキャーんキャーんと小さく角にかくれる。 タイヤがあっちこっち、 洗濯機やらなにかに引っかかって、 ズルズルととうるさい!! あまりのうるささに、箒を片手に 「ベートーベン! 早くうちに帰んなさいッ!(怒)」 とやるが、効き目はない。 しばらくしてまた、タイヤを引きずりながらもどってくるのだ。 つないだらどうか?!と思われるかもしれないが、 何せ姑たちは犬をつながない主義なので、 何度言ってもしようがない。 さて、そんな、シロとベートーベンが一緒に歩いているのを、 娘のりりが見てしまったようで、 「ママィ! シロがベートーベンを好きになってるよ! 一緒に歩いていくのみたもん」 と、報告してきた。 夕方、今度はクロとシロがくっついていると、 「ママィ、ベートーベンとシロも同じことしてた! ダメねえ。」 といい、 もうシロがベートーベンと一緒にNAMORA (恋、ここではいちゃいちゃのこと)しに行かないようにと、 シロをつないでいた。 私は思った。 なるほどねえ、犬って、このように放し飼いの状況だと、 発情期に入るとどの犬とでもやるのね。 そういえば、前回、クロ(♂)が隣の犬とやっているのも見たことがある。 でももちろんシロともやっていた。 だからCACHORRO! ていう野次があるんだ~。。 野良犬天国のブラジルらしい表現かもしれない。 それにしても、じゃ、生まれてくるシロの子って、一体誰が父親?? そして私が洗濯物を干しているすぐそばで、 始まったシロとクロの情事現場に、 りりは無邪気に近づいていき、 「あ、またやってるねえ。 もうたくさんあかちゃんできてる?? ママィ、もうたくさん赤ちゃんができて、お腹が破裂したらどうするの?」 とか、 しまいには、 「ママィ、人も赤ちゃんができるように、同じことをするの??」 と聞いてきた。 ひぇーッ!! 私は冷静を装いつつ、 「うーん、大人になったらね」 と、はっきりしない答えを言って、 娘の反応を待った。 りりは 「ふーん、りり赤ちゃん大好き!」 といって、交尾するシロとクロに話し掛けながら眺めていた。 もうここまで見ちゃったら、怖いものなし?!っていうくらい。 でも、全然いやらしい気持ちもなく、 当たり前に自然の摂理を観察している。 やっぱ小さいうちに動物を通して学んでいくのは、 素直に吸収できて、いいんじゃないか、と思ったのでした。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2005.09.05 04:44:16
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