テーマ:ノンジャンル。(2210)
カテゴリ:生き物
★サナギマン★ 小学生の頃の話である。 決して美味いなどとは思わないのだけど 少々大人振ってコーヒーなんぞ飲んでいた。 当然インスタント。苦いので砂糖タップリ そして粉末のミルクを瓶から振り入れたのだけど 蓋の締めが甘かったのかシケってる様で ダマになった塊が幾つも転がり出る。 それを溶かしてやろうとスプーンで掻き回すのだけども これがなかなか溶けない。 まぁいいやと、カップを口に運び、それをコーヒー諸共含む。 そしてその塊をサクッと噛み砕いたつもりだったのだけど 何故だか“プチュッ”と妙な感触。 慌てて吐き出して確認したものの原因は分らず。 そこで今だコーヒーに数個浮かぶ塊 これをスプーンでカップの縁に押さえ付け、砕いてみることにする。 そうして砕いた中から思いがけなく現れた物体 それは熱いコーヒーにより“蒸し状態”になった 小さな昆虫の蛹だった。 単なる塊と思っていたそれは虫が作った繭だったのですね。 後に色々調べてみたけど結局、その昆虫の正体は判らず終い。 しかし、あのコーヒーに浮かんでる姿は 時折テレビで見掛ける“ゲテモノ食材”さながらだった。 さほどマズくもなかったですがね。 ★便所コオロギ★ その日、近所を流れる小さな川で魚を手網ですくおうと 腿まで浸かり遊んでいた。 その川には木で土台の組まれた古い橋が架かっていて 自分は何の気なしに川に浸かったまま身をかがめ、その橋下に入った。 その時、橋の裏側に自分の頭が擦りそうになったのだけど 何故だか木でできている筈の橋がザワザワと波打った気がする。 急に暗がりに入ったせいで幕がかかった様だった視界も 程無く慣れてくる。 目を凝らしてみる。 そこで見た光景・・・ それは橋の裏側にびっしりひしめき合う 通称“便所コオロギ”と呼ばれる昆虫の大群だった。 この虫、ジメジメした風呂場や便所などでよく見られることから そう呼ばれてるらしい。 正式名は“カマドウマ”後ろ足を見ると、なるほどバッタやコオロギの 類いと見てとれるが、成虫になっても羽が無く 柔らかそうな丸まった背中に、謎を秘めたマダラの体色。 どう見ても清潔な雰囲気ではない。 しかも大群となると見るもオゾマシイ。 自分はちびりそうになりながらも、彼らを刺激しない様、気を遣い そして、橋下から転がり出た。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
最終更新日
2006/01/10 10:11:39 PM
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