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2006/03/04
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カテゴリ:夢日記
これは私自らが夢の中で体験した物語である。

夢日記について(ここをクリック)


■夢日記/1998年2月6日■

kojikimise

崩れかかった廃墟が点在する町並みを歩いている。
路地を抜けると川に突き当たり
その川沿いにも崩れた石造りの建物がある。

その傍らにある階段で、川に降りようとするのだけれど
崩れた建物の瓦礫が、行く手を阻んでいるのと
思いのほか水位が高く、流れも激しい為
危険と判断し、諦める。
階段を上り、通りに出たトコロを
通り掛かった百姓風の老婆に目撃され

“ マズイ” と挙動不信になる。

明治建築風の古びたレンガ造りの、銀行の様な建物玄関の前
古道具が山の様に積まれている場所に出る。

その物品の山に興味を示し見入っていると
どこからともなく乞食が現れ

「何かお探しですか?」

などと声をかけてくる。

どうやら彼は、ここで店を開いているようだ。
恐らくこれらの品々は、そこいらで拾って来たものに違いない。

振り子の無い八角時計、所々凹みのあるアルマイト製洗面器
乱れ髪の市松人形、埃マミレの陶器類、等々。

私はそれらガラクタの中から、一枚の木製扉を見付ける。
かなり旧い物らしく重厚な造りに施された黒い塗装
その所々がひび割れ剥がれているのだけれど
それがかえって長年生き抜いてきた風格を感じさせる
味わい深い代物である。

一目で気に入るが、自分が探しているのは引き戸なので
それは無いか尋ねてみる。

すると乞食は無言のまま得意気な面持ちで
奥からゴソゴソとそれらしき物を持ち出してくる。
木枠で上半分にガラスがはめ込まれ
一見重ねられた二枚の引き戸に見えるのだが、下半分がくびれており
突き出たふたつの足の様なものが付いている。
更に重ねられた二枚に見えたそれらは
蝶番によりひとつの物としてつながっており
どうやら衝立の様である。

tuitate

乞食は、この品は病院で使用されていたものだと説明する。
なるほど、その衝立様の物のガラス部分には
三枚のポスターが貼られているが
いずれも医療関係を思わせるものである。

しかし、その中の一枚にどうも見覚えがある。
女性が歯の治療を受けている図。

ややあって、私はそれが1970年代に
「メディカルアート」という新分野を確立した
フランスの前衛アーティスト、ロマン・スロコンブの作品であることに
気付く。他の二枚も作者は不明ではあるが同様のものと思われる。

恐らく、知識の無いこの乞食は、これらのポスターから
安直に病院を連想し、口からデマカセを言っているに違いない。

乞食は加えて

「これは15年~20年程前の骨董品です」などとのたまう。

骨董屋気取りで知ったふうな口を利いても、底が丸見えである。
大体からして20年やそこら前の物など骨董品とは言わない。
単に古いだけの物である。

しかもこの乞食が言うところの“骨董品”
よく見ると、相当イタミが激しく
上部木枠部分など木部が見えない程
赤いビニールテープでぐるぐる巻きにいい加減な補修が施されてある。
こうなるとゴミ以外の何物でもない。

私は乞食を小馬鹿にしつつ、冷やかし半分値段を尋ねてみる。
すると彼は得意満面の笑みを浮かべ

「30万円でどうでしょう」

「話にならん!」私は吐き捨てその場を後にした。

まったく!ふっかけやがって!
真面目に額に汗して働きやがれ!

街角だと思っていたその場所は、実はビルの四階であることに気付き
近くの階段を下りることにする。
しかし、ふと、あの貼ってあったポスターが価値有る物に思えてきて
今一度引き返してみる。

戻ったその場所、先程のレンガ造りの建物は
実は乞食が経営する骨董屋の店舗であった。

中に入ると数人の店員がおり
それぞれ何かしらの役割を持っているようで
いずれも忙しそうに動き回っている。
しかし、顔といい、皆、同じ様な背格好をしていて
どれが先程の男か見分けが付かない。

ようやく見付けたそれらしい男は
店舗奥にあるレジの向こうでストーブにあたっている。
先程は長髪だったその髪が随分短くなっており
あらわになった両耳には
大きめシルバーのリングピアスが輝いている。
その風貌は
“大した器でもないのにお高くとまったイヤミなレコード屋の店員”
の様である。

私は彼に、先程のポスターのみを売ってくれと申し出る。
しかし、男はこちらに目線を向けるのも面倒くさそうに一言。

「駄目だね」

まぁ、先程自分がとった態度を考えれば、予測し得た反応ではあるが
しかし、このペテン師野郎、腹が立つ。
こうなったらこの際
貼ってあるポスターをひっ剥がしてかっぱらってやろう。
なぁに、獲物は店外に置いてあることだし、たやすいもんである。

私は無言で店の外に出ると
スキを見てガラクタの上に畳んで置いてある衝立を広げ
(サイズが四分の一程になっているが、気にも留めない)
内側に貼ってあるポスターをまず一枚、例の歯科治療図を剥し
何故かそこに挟んであったLPレコード、これも手に持ち
素早く非常階段へと向かう。

コンクリートの階段を下りていくと
二階の踊り場に段ボール箱が幾つか積まれている。
とりあえず、それら箱の陰に盗ってきたモノを一旦隠し
残った二枚のポスターを剥がすべく引き返す。

ところが戻ってみると、先程置いたはずの場所に
衝立が見当たらない。

不審に思い、辺りを見回すと
天井に防犯用ビデオカメラが設置してある。

“ しまった ”

と思う間もなく、どこからともなく
リーゼントにエプロン姿のバーテン風の男が現れ、声を掛けられる。

私は驚いて飛び上がり、全力でその場から走り去る。

medical2

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ヲシテネ。










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最終更新日  2006/03/06 10:01:51 PM
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