シックハウス対策:「住宅」が出口規制へ
◆新築住宅完成時に「濃度測定」が義務化◆シックハウス対策に東京都千代田区は全国で初めて「新築住宅」を対象として、竣工後の「室内化学物質(シックハウス原因物質)濃度の測定」と「測定結果の開示」を義務化する指導要綱を策定しました。測定義務の対象となるのは、●一般住宅●高齢者介護施設●学校●保育所など 2004年11月1日より実施されます。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━昨年7月に施行された「改正建築基準法」では、建材の使用量を制限するもので、竣工後の「室内化学物質濃度の測定」は義務づけていません。しかし、今回の指導要綱では、建築業者は、建物の竣工後に建物の室内化学物質濃度を測定し、厚生労働省の指針値(ガイドライン値)を下回っていることを確認して、入居者と保健所に通知することを義務づけています。測定対象の化学物質は・・・(1)ホルムアルデヒド(2)トルエン(3)キシレン(4)エチルベンゼン(5)スチレン の5物質。違反した場合の罰則規定は有りませんが、指針値を上回った場合、保健所が建設業者に是正を求め、報告に不審な点が有れば再調査をする事になっています。━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ ▼ ▽ ▼ ▽ ▼ ▽ ▼◆ビル管理法では、先行して「義務化」◆床面積が3,000平米以上の事務所ビルの場合、ビル衛生管理法の規定に基づき、2003/04よりホルムアルデヒド濃度の測定が義務づけられています。建物の新築もしくは大規模な改修工事を行った場合、竣工後の「ホルムアルデヒド濃度」を測定し、厚生労働省が定めるガイドライン値を下回っている事を確認しないと、建物を引き渡してはならず、また使用してもならない。となっています。この法律は強制力を伴い違反者には罰金が課せられます。しかし、住宅に関してはこれまで竣工後の測定義務が無かった為、今回の千代田区の指導要綱は画期的であり、今後他の自治体も追随することが予想されます。 ▼ ▽ ▼ ▽ ▼ ▽ ▼===================================== ■□入り口規制と出口規制■□=====================================住宅に於ける化学物質規制は、これまで「入り口規制」と呼ばれ、F☆☆☆なら床面積の2倍以内、F☆☆☆☆なら無制限に使っても良いと言う規制で、ホルムアルデヒドの放散量に応じて、使用できる建材の量が規制されてきました。昨年改正施行された建築基準法によるシックハウス規制はこの「入り口規制」でした。しかし、使用できる建材の量を規制し、それを守っただけでは建物竣工後の「ホルムアルデヒド濃度」が厚生労働省の定めるガイドライン値を下回る保証は一切ありません。現実にF☆☆☆☆の建材を使った建物のホルムアルデヒド濃度が、ガイドライン値を上回る測定結果が出て、問題になるケースも報道されています。これに対し事務所ビルなどに於ける、ビル衛生管理法による規制は、竣工後のホルムアルデヒド濃度の測定が義務づけられています。これを「出口規制」と呼びますが、本当にシックハウス対策をするならば、この出口規制が当然とも言えます。東京都千代田区が全国に先駆け「住宅」に関して「出口規制」を導入したことは社会的にも意義があることと言えます。5日に大阪府も同様の発表をしました。詳細は また 調査の上 公表できるならここで行います。