運命的な出会い。
長男が脳室内出血で痙攣、嘔吐をし、緊急搬送されたのは生後2週間目くらいの時。1月6日の夕方だったもんで、私は初産で実家にいたし、夫は仕事始めで札幌へ帰ったばかり。地元の病院から搬送された先は小樽銭函の小児センター。地元の病院では、死ぬのも覚悟してください。と。もし、命が助かったとしても、重度の障害が残るでしょう。と言われて私は泣きながら夫に公衆電話で電話をしたのを覚えています。とにかく出血で脳圧が上がったのを薬で下げ、それと共に自活呼吸が出来なくなるためポンプで酸素送る。センターに着くまでの3時間の間、ずっと小児科の先生が手でポンプを押して酸素を送ってくれました。時々足の指や手の指につけている心肺監視装置がピーーーーーというたびに生きた心地がしませんでした。ただ、振動ではずれちゃうだけなんだけどね。センターに着けば、夫と叔母さんが待っててくれて、叔母さんは泣いていた。叔母さんもそこのセンターで初めての息子を亡くしているから。すぐにでも手術をしてくれるものと思いきや、私達の前に同じ脳室内出血で搬送されてた5歳くらいの女の子の手術が終わらず、2~3時間ほどは待っただろうか。その女の子の両親も必死になって手術室に向かって祈り続けていた。私はどうしていいか分からず、ただぼーっとしては泣きを繰り返していたような気がする。手術をする際に、麻酔でアナフィラキシーショックで死ぬ場合もありますから。と簡単に誓約書を書かされた。そういうことに不慣れな私は戸惑ったが、夫が飛行機事故より確率低いぞと言ってくれてなんとか落ち着いた。それがT先生との出会いだった。先生は「こうなるといいなぁ~」という希望は言わない。いつも厳しそうな顔に、最悪な事態を口にする。希望を持たせてくれない。最初、本当に苦手な先生だった。手術は2~3回して、脳にこびりついた血液を生理食塩水で洗い流すを繰り返し脳髄にまで詰まってしまった血液があって、髄液が循環してくれない。このまま流れなければ水頭症になる。何度も細い脳髄の血液を溶かす作業をして、MRI・CTで検査しまくり何とか少しは循環しているようだから、頭から管を抜こうということになった。もし、これで流れなければ、また管を入れて、シャントという管を入れて生活しなければならない。T先生に「シャントを入れなければなりませんか?」と恐る恐る聞いたら「俺も年だからよぉ~入れたくないんだよなぁ~」と返事が帰ってきた。そりゃ~私達だって入れたくない。成長と共に管を長くしなければならないし、感染症の危険がいつだってある。そんな願いが通じたのか、少し脳ミソが偏り気味だが、髄液は流れてくれた。何度も短期入院をして、慎重に過ごしたけどね。T先生は奇跡を起こす医師ってんで少し有名な先生で、俺みたいなチャレンジャーはそうは居ないだろうと自負していたくらいな人。もし、T先生以外の人が息子の手術をしていたら、左半身麻痺は残ってただろうね。と曖昧に言っていました。たまに通院しては、脳の検査、発達の具合を言って、先生の愚痴を聞き1歳半くらいで痙攣止めの薬を止め、同時に小児センターを卒業した。(今は1年に2回くらいの割合で近くの大きな病院に健診に行ってるけどね。)T先生からは20歳になったら開けてみるようにと、息子宛の手紙を貰いました。もう、会うこともないかと思っていたのですが…これも縁なのか、昨日、夫は札幌から2~3時間ほど離れたT市の病院に仕事で行ってました。何か先生達の会議があったらしく、夫の受け持つ仕事場の通りを出入り口として使ってたようで椅子に座って、通り過ぎる先生達に挨拶をしてたら見覚えのある顔があって、T先生と夫は二人で驚いたらしい。どうやらT先生は小児センターを辞めて、T市の脳神経外科の部長になっていました。息子は元気で幼稚園に通っていると言ったら、嬉しかったようで今度T市まで健診に行くはめに…笑 2~3時間かかりますぜ!先生!!息子の脳室内出血を発見してくれた地元の女医先生、T先生に命を助けられその時に使われた多量のA型の血液。(献血してくれた人、ありがとぉぉお!!)私も一度だけ、粗末なB型を献血させてもらったよぉ~ その後は満たなくて採ってもらえなかったけど。みんなのお力添えがあって、今の息子は元気に生きています。少し斜視は残りましたが、生活で不便はなく、運動機能も臆病だけど大丈夫。ただ、私に似たのか言葉は遅いですが…汗)無駄に記憶力だけはいいです。苦笑息子がもう少し大きくなったら、みんなに助けてもらったことを話し自分の命について、人の命について、深く考えてもらえたらなと思っています。もちろん、次男にもね。元気に幼稚園に通っている姿を見て、本当に良かったなって思うよ。T先生に会うの、楽しみだなぁ~。またT先生の部屋は子供達の笑顔いっぱいの写真で埋め尽くされているんだろうか。息子の写真もどこかにあるだろうか。いつ行こうかなぁ~~めっちゃ自己中日記でごめんねぇ~~~~