テーマ:今日の出来事(292983)
カテゴリ:うしと暮らせば♪
「ねえねえ、私たちこれからどうなるのかしら?」「分からないけど、それにしてもすごい数ねえ」なんておしゃべりしてるかもしれない、当牧場の和牛と本日初対面の牛さん。 本日、中央家畜市場で和牛(肉用)の子牛のセリがありました。生後10ヶ月の黒毛和種の子牛たちが総勢540頭、今か今かと出番を待っています。ここでセリ落とされた子牛たちは日本全国に散らばって、そこで一人前の肉用牛に仕上げられます。 ある牛は松阪になり、またある牛は安○楽牧場の牛になり、仕上げられる土地の銘柄を背負って立派な和牛になるのです。早朝からセリ開始の10:00までにすべての牛が搬入され、セリを待つ間に幾多のスカウトマンの厳しいチェックを受けるのです。 10ヶ月までにある程度の大きさに育っているか(理想は300キロ超)、毛づやや目つき、健康そうかどうか、とまるでアイドル発掘といったところ。中でも体の大きさはこれからその土地の銘柄牛に仕上げていく際に、いかに沢山食べて大きくなれるかという目安になるので、値段もぐっと違います。 それに血統。やはり肉質のよい牛の血をひいている子牛は、高値で取引されます。 がしかし、ここ最近は牛の値段もぐっと安くなり、赤字にしないように子牛をそだてて出荷するのがやっとです。以前は酪農家にとってのボーナスとして考えられていた和牛の出荷も、今では経費や労力を考えると、儲けの分はほとんどありません。 それでも今日は2頭出荷することになったので、牧場主と私と、1頭ずつひき付け(子牛をセリ場までひっぱってつれていくこと)しました。以前は「わーーーい!ひろーーーい!」と喜んで走り回る牛にぶうんぶうん振り回されて、泣きたくなるようなセリでしたけど、今は大丈夫。 かなり慣れたのとこれ。 市場の牛をつなぐところの上のほうにレーンがはりめぐらしてあって、そこを滑車が走り、その滑車についているチェーンを牛とつないで歩かせます。だから、レーンのところから大きくはずれて牛が大爆走なんてことは、なくなりました。 私みたいな素人に毛がはえたような人間には大助かりです。 なんとか私も和牛のおんずっこをひき付けして、旅立たせてきました。あまりに安すぎて家に連れてかえる人もけっこういますから、それを思えば(実はやはり安かったですが)よしとせねばなりますまい。 今回うちの2頭は比較的近場で、これからの一生を暮らすことになりました。 達者で暮らすのだよ。新しい飼い主さんに可愛がってもらいなさいね。 ちなみに当牧場の子たちは旅立つまでに5時間待ち。雌は疲れてしまったのか途中で朝ごはんを戻すやら、へたりこんで座っちゃうやら。遠くから車に揺られてきた牛さんも、これから何時間と車に揺られていく牛さんも、みんなおつかれさま。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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