テーマ:今日の出来事(292963)
カテゴリ:うしと暮らせば♪
これ、何だか分かりますか?タバコと比べるとこれくらいの大きさで、薄いのやら立体的なのやらいろいろありますが・・・。 実はこれ、牛の爪なんです。 人間も「健康は足から」とはよくいわれますが、それは牛にも言えること。牛は成牛で600~700キロにもなる体重をちょうど爪立ちしたようなかっこうで支えています。だから爪のお手入れは欠かせないのです。 デコレーションこそしないものの、切って、削って、やすりをかけて、6~8ヶ月に1回くらいの割合でネイルケアをしてもらいます。 牛の爪は削蹄師さんにお願いして切ってもらいます。当牧場にはお師匠さんと、そのお弟子さん兄弟と、たまに牧場主の同級生(農業高校の)さんが来てくれます。どこのうちでも牛を飼っているので、牛の扱いには慣れている人ばかり。 とはいえ牛の足を押さえながら、あるいは持ち上げながらの作業は大変な重労働です。蹄の底を削るときは2~3人がかりで押さえます。 なかなか言うとおりに動いてくれない牛には「ほらほら、お前かわいいなあ。こっちにおいで。」なんてことを言って近づけて、頭部を固定したり。「もう少しだから動くなよ、ほら、きれいになったよー。」なんてことを言いながら優しく作業をしていきます。 やっぱり女はどうしても「褒め言葉に弱い」のよねえ。 その間私たちはというと、「牛のストレス軽減」に徹します。そんな優しい言葉をかけられたとしても、いかにも切れそうな刃物や、おおきなはさみなんかを持って、どんどん爪を切っていくのですから、牛にしたら「な、なにするのよーーー!」って心境です。 なかにはばたばた暴れたり、むうむう鳴いて怖がる子もいます。そこで牛の頭を抱えるようにして自分の身体で目隠ししたり、尻尾の付け根をさすってやったりするのです。牛の頭を抱えると、心臓の音が聴こえて安心するのか、ヤッケのにおいをかいで「あ、同じにおい」(笑)と思って落ち着くのか、とにかく少し牛の気分が安定します。 しかも削蹄師さんたち、こんな渋い前掛をして作業してるんですよ。帆布の丈夫なやつ、私が小さい頃は、酒屋さんのお父さんも、食料品店のお父さんもかけてましたねえ。 半日で12頭、放牧場に行く牛を中心に切ってもらいました。これで山に登る準備は万全です。 削蹄師さんたちは爪の状態がよくない牛は治療することを勧めてくれたり、飼養管理の見直しを提案してくれたりと、単に削蹄のみならず、牛の健康のことまで考えてくれます。酪農家にとって強い味方なのです。 みなさん、足は大事ですよ お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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