ひねもすのたり牧場日記

先日、元タレントの清水由貴子さんが硫化水素によって自ら命を絶った。お父さんの墓前でお母さんの目の前で、介護疲れが原因ではないかと言われている。


どんなことがあっても自分で自分の命を絶つなんてよくないと、私は思っている。血反吐をはくような、地べたをはうような泥水を飲むようなことがあっても、生きなくてはと。だけど、清水さんの自殺は何か人事とは思えない。単に「よくない」と責められない。


今日本では介護疲れによる自殺が増えている。世界に先進国と言われている日本がだ。老老介護、シングル介護といった、たった一人で介護をしながら生活している人達が増えている。他に兄弟、家族がいたとしても、それぞれに生活があったり、頼れないことも多い。


「ひとりでかかえこまないで、各自治体の窓口などにご相談ください」・・・よく言われることだ。だけど、その窓口でさえ「お気持はわかりますが、今の制度ではどうにもならないんですよ」といわれて終わるようなことも多い。そこがだめなら、じゃあどこに相談すればよいのだろう。


その場で即答できなかったとしても、必ずそのことを検討して対処してくれるような窓口でなかったら意味がない。そうでなくても「自宅に同居するひとがいる」というだけで、仕事をもっていようが、その人も病気を抱えていようがおかまいなく、その人が介護者になってしまう。


紙の上に書かれたことを見て決めただけの制度なんだなあとつくづく思う。いろんなケースの人たちの声をちゃんと聞いて、見直しして、「実生活」に即して対応できる、ほんとに介護者の手足となって動いてくれる制度であってほしい。


かつて西川きよしさんが議員さんだったとき、「小さなことからこつこつと」と話され、実際に色々な制度を改革していった。その中で私が一番感心したのは国民年金の支給日が休日だったときは、前倒しで支給するように提案し、今に至っているということ。


他の議員からしたらなあんだ、ほんとにちいせえな、と思うようなことかもしれないが、国民年金だけで生活している人からしてみれば、そのたった１日、２日が重要なのだ。こういう提案は、ほんとにお年寄り一人一人と膝を交えて、その目線にたって考えなければ出てこないことだと思う。


今の政治に必要なのは、そういうことなんじゃないかな。立派な理想も、経済発展も確かに重要かもしれないけど、不都合が出ていて困っている人達が少しでも暮らしやすく、少なくとも「死ぬくらいなら、相談してみよう」と思わせるような世の中。小さいことこそが、実は一番重要なのだ。


今度のことで自分に出来る小さいことって何だろう、と考えた。以前にも書いたが、ふと気になったり、思い出したりした人には連絡をとってみようかな、と思う。清水さんもきっと誰かに相談したり、愚痴を聞いてもらいたかったのかもしれないけれど、相手もきっと今の生活で忙しいだろうなとか、いろいろ気を遣いすぎて出来なかったんじゃないかと思う。


逆に介護で大変だろうと思うと、相手も連絡するのを躊躇ったり、自分の生活に追われて気が回らなかったりすることもあるだろう。だけど、そこでもし「元気？」ってひとこと聞かれてたら違っていたのかもしれない。


幸いにも私はお手紙を書くのが大好きで、まったく苦にならない。だから気になった人には葉書の一枚でも書いてみようと思った。葉書ならずっと連絡をとってなかった人にも出しやすいし、もらったほうも急いで返事をくれなくてもいい。時間があるとき連絡を取り合える。


メールもいいけど、季節の花などあしらったお手紙のほうが、気持もふうっと楽になったり、楽しかったりするんじゃないかな。


どんなに小さなことでも、誰もが、誰かの支えになれるはずだから。


ちょっとした夏の御挨拶に和風つづり　鉄仙模様　その2夏のレターセット　ホールマーク



四季の花柄を優しさ溢れるシルクスクリーンで仕上げました。鳩居堂　初夏のハガキ　シルクスクリーン印刷　6枚セット　どくだみ・都忘れ・つりがね草・鉄仙・あざみなど　季節の御挨拶に（鳩0320）