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宮沢賢治の魅力6::月夜のでんしんばしら 今宵は満月。真冬のそれとは違った、もっと黄色くて少し赤みを帯びたような月。 春の夜の、ちょっと生暖かいくらいの空気をまとった、にじむ月。 月を見るのは大好きだ。静かにやさしく地上を照らす光を見ていると「そんなことは、ちっぽけなことだよ」と教えてくれているようだ。 牛舎から見た月は、牧草畑の上の鉄塔の横にいた。宮沢賢治の「月夜のでんしんばしら」の挿絵のように。賢治もこんな月夜の、田舎道の寂しげな静けさの中の風景を見て、その一部を切り取り、想像をめぐらしたのだろうか。 うちからそう遠くない道に、そんな風に思わせる場所がある。一世紀以上も前からさほど変わっていないような道。そんな景色が、まだ沢山残っている。 月といえば、東京に「月光荘」という文房具店(もともと画材屋さん)があるそうだ。店の名付け親は与謝野鉄幹、晶子夫妻。 「いつも光さす場所であるように」と名づけたのだとか。 いつもさす光が、日光ではなく月光なところが、なんだかとても素敵なニュアンスを想わせる。 月にはいつも、そんな素敵な逸話や物語が寄り添っている。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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