テーマ:旬・シュン・しゅん♪(3076)
カテゴリ:カテゴリ未分類
ここ数日、雨の予報でなくともけっこうざあざあ雨が降る。
女心と秋の空。 山の天気は変わりやすい。 ふたつの言葉が頭のなかに交互に浮かぶ。 「ねえねえ、栗拾いにいかない?」と牧場主。 ここだけ聞くとなんだかドライブがてら、ちょっと遠出して遊びに行こうと誘われているようでもあるが、なんのことはない。 牧場裏手のサイロのところの栗を拾いに行こうぜ、ということ。 所要時間約1分。 連休もどこにも行ってないから・・・と思ったかどうかはわからないが、栗の木を揺らして実を落としてくれたり、見つけやすいようにとパワー(草刈機)で下の草を刈ってくれたりと、まことにかいがいしい牧場主。 そして落ちた栗を拾い終わるか終わらないかのうちに、またもや雨。 やむなく撤収してお昼に、拾った栗を煮て、牧場主の実家からもらったかぼちゃを天ぷらにして義父母に届けた。小一時間話をして戻ってきて、私はうちの中に、牧場主は牛舎の事務所に。 雨が上がったころ、またもやパワーの音がしてきた。牧場主も頑張って働くねえ・・・と思っていると、パワーの音がピタッと止んだ。 そしてしばらくするとぶろろろろろ~っと、牧場主の車がどっかに飛んでいった。 ああ、もう夕方の仕事の時間だよ・・・と牛舎の事務所に行くと、ほどなく牧場主が戻ってきた。 どさっ、と私の目の前に置かれた45リットルのゴミ袋。果たしてその中には・・・。 キノコである。でっかくなったしいたけくらいのキノコがどっさり入っている。 「ど、どうしたのこれ!もらったの?」 「ちがうよ」 「んじゃあ、なんであるの?」 「採ったの!」 「だれが?」 「おれだべよ!」 えーーー!牧場主がキノコ採りぃ!・・・まったく考えつかなかった。 「えーー!すごいねえ!! あれ?んで、今どこに行ってきたの?」 「え?ねえちゃん家」 牧場主の話によると、パドックの中の草を牛たち達が食べつくして、雑草の芯ばかりが目だってきたのでみっともないから刈り取ろうとパワーを動かしていたら、なにやら見たことない白っぽい花みたいなのがごっさり咲いているところを発見。 おそるおそる近づいてみると、キノコ。あれ?これもしかして他の牧場の人たちがよく話していて、草刈のトラクターを止めて採るとかいうやつかな・・・と思ってゴミ袋に採ったらしい。 だけど、日頃全くキノコに執着のない牧場主。念のためと、姉のうちに「食べられますか?」と聞きに行ったらしいのだ。 ゴミ袋いっぱいのキノコを持って現れた弟を見ての姉の第一声は、 「あらー、すごいじゃない!」でも 「いっぱい採ったねえ」でもなく 「え?お前、キノコ採りなんかするってか?」だったらしい。 とことん、キノコと縁のない人と思われているらしい。 それでハタケシメジであることが判明し、姉と甥っ子に分けてきた、というのだ。 牛はキノコは嫌いなのか、はたまたあまりに多すぎて恐れをなしてか、もしくは私や牧場主のように視界に入って来ないのか、沢山生えていたようだ。 さっそく塩水につけて、明日あたりからキノコ汁かなあ。 それにしても、パドックでキノコが採れるとは・・・。というか、パドックだから採れたのか。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|