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先日、義父母から「たくあんを漬けるから樽を持ってきて」と電話があった。義父母は毎年大根や白菜を作っては、漬物にしたり越冬用に保存したりしていて、うちでもいつも頂いている。 とりあえずお勝手にあった二斗樽をもって行って見ると、「それじゃあなんぼも入らないよ。もっと大きいのを持ってくればいいのに。」と言われた。 でも・・・。この樽にしても干した大根30~35本は入る。ほぼ30キロ前後の重さになる。もっと大きかったら、もっと重くなる。 牛のエサやそれにトッピングするサプリ(ビタミンとかカルシウムとか)はだいたいみんな1袋20キロが多いので、20キロまでは比較的楽に持ち運べる。 25キロだとちょっとおすましして、頑張ればあまり違和感なく運べる。 だけど30キロとなると、あきらかに運ぶ格好が「おかしなこと」になる。 ネジの壊れたロボットみたいな、変に腰が落ちてて蟹股みたいな後ろ姿になる。 30キロの壁は、私の中ではかなり厚い。 たとえ台車や一輪車で運んだとしても、降ろしたり積んだりするには人力が必要だ。 おかしな格好になる。 なぜかこの収穫期、秋、30キロのものが出てくる。たとえば、米。 一俵は60キロで、最近は紙袋に入っている玄米なんかは半俵の30キロが主流だ。 我が家では毎年、牧場主の母の姉の家から玄米で一年分購入する。 30キロの袋を山ほどダンプに積んでくる。当然、家の納屋に降ろすのは私と牧場主。 そしてそれを定期的にもらってきて、精米して食べる。車に積んで、精米所で精米し、また車に積んで帰ってくる。そして、お勝手に運ぶ。 30キロとは年中、切ってもきれない関係なのだ。 そうして精米している間、いつも想う人がいる。 日本中で一番ファンの多い歴史上の人物。土佐のいごっそう、坂本龍馬。 の姉の、「坂本のお仁王さま」こと乙女さん。 男も女も惚れるいい男、坂本龍馬を作ったのは、実はこの乙女さんらしい。 龍馬は子供の頃はけっこう泣き虫で、弱虫で、海にも川にも恵まれた土地柄で育っているけど泳げなかったという。 それを川に投げ込んで泳ぎを身につけさせ、木刀で剣術の指南をして、弟龍馬を一端以上の男に育てあげた。 ・・・。それでなんで精米しながら焦がれちゃってるの?という感じだが、その乙女さん。その当時の女性にしては大柄で、いつも米を左右の肩に一俵ずつ担いで働いたという。 ああ、私にもそんな力と、背丈があったなら・・・。こんな「おかしな格好」で精米所に米を持って入ることもないのに・・・。 でも、私の祖母も小柄ながら一俵は担いで運んでいたという話を聞いたことがあるな。 昔の女は、どんだけ土性っ骨なんだか。そんな力と根性があれば、今の私にも怖いものなしなのに。 ああだけど、今年も30キロの壁はやはり私には、厚い。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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