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星守る犬 去年のこと。どうしても読みたい本(マンガですが)があって、インターネットで探していたときのこと。 その本を越えるくらい読みたくなったマンガと出逢った。 「星守る犬」。 星守る犬とは、どんなに望んでも手が届かない星をじっと見ている犬の姿から、手に入らないものを求める人のことを言うらしい。 「お父さん」と白い愛犬ハッピーが、自動車に乗って旅にでるお話。そしてネット上に添えられていた絵は、タバコを片手に土手に座った「お父さん」の横にニコニコより添う犬が描かれていた。 そしてこんな文面も・・・。 放置された車の中から、男性と犬の遺体が発見された。男性は死後1年から1年半が経過していた。だが犬は、死後3ヶ月だった。 この文面を見て、その本を見る前に私はパソコンの前で泣いてしまった。犬と暮らしたり、触れ合ったことがある人ならば、それは何を意味するのかを想像するのはたやすい。 雑誌に掲載されていたこの物語が、単行本になるのをずっと待っていた。 探していたが、出逢えなかった。 それが昨日、買い物の帰りにぶらりと立ち寄ったスーパーに隣接しているこじんまりとした本屋さんの「この本に注目」コーナーみたいな一角で、出逢った。 車の中でちょっと読んじゃおうかとも思ったけど、それはやめた。以前、電車の中で本を読んで涙が止まらなくなったことがあったので。 牛舎の仕事の前に、「ちょっとだけ」と、パラパラめくった数ページで、もはや撃沈。 タオルで目を押さえつけて、声をころして泣いた。 そして夜。布団のなかで読んでいて涙が止まらなくなって、かっこ悪いのでお風呂に直行。 そのまま湯舟のなかでも、15分くらい涙がとまらなかった。 人はなぜ「何か」がなければ愛せないのだろう。こんなにも求めない愛もあるのに。 自分は今まで出逢った沢山の魂に、ちゃんと向き合い目をむけて、恐れずに愛せていただろうか。 そんなことを繰り返し思わずにはいられない。 夜空にきらめく星くらい沢山の、今までに見続けてきた夢。 届かないと知っていても、それでもじっと見続けて、手を伸ばして・・・。 私もまた、「星守る犬」なのだろう。 読み終えた後、沢山流れる涙の代わりに、胸の奥のほうがじい~んとあったかくなる。 ただし、バスタオルを抱きながら読むことをおすすめします。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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