ひねもすのたり牧場日記

岩手は昨夜からずっと雪が降り続いている。

湿った雪が、花びらのようになり、大粒の雨のようになり、霧のようになり・・・。

何度も姿を変えて、降り積もっていく。


小さい頃、窓辺に仰向けに寝て落ちてくる雪を見ていると、

なんだか自分が天に昇っていくような気がした。

さみしいような、穏やかな気持ちになりながら、

ただ雪の落ちてくる方を見ていたあの頃。



雨のように音もなく、大地に吸い込まれるように静かに落ちる雪。

そして気がつくと、長靴ほどにも積もっている。



雪のように降り積もる悲しみ。


雪のように降り注ぐ幸せ。


静かにしんしんと落ちてくる姿は、寂しさも喜びも連想させる。



以前、ドラマの中で

「雪になりたい。そしたらいつでも愛おしい人の肩に落ちていける。」

という台詞を聴いた。


今日花びらのように落ちてくる雪を見ていると、そんな気持ちも分かる気がする。


その人は気づかないかもしれないけれど、

ふうわり、ふうわりと、舞うように・・・。



音もなく絶え間なく降り積もる雪を見ていると、

自分には雪のようなところが足りないのかもしれないなあ・・・なんて思ったりもする。


人知れずただ黙々と積み重ねることとか、

静かで一見冷たそうなのに、暖かな感じとか、

穢れのない感じとか（苦笑）。



仕事の合間、一日中降る雪を見ていると、

いろんなことが想われる。


これからそんな日が、増えていくのだろう。