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今、岩手でちょっと話題になっている本。岩手の生んだ歌人、石川啄木の本である。 26年2か月。その人生を短いと感じるか、中身の濃い人生だったと思うかは人それぞれだろうと思う。 同じく郷土の生んだ作家、宮沢賢治に比べると、啄木の人生は「眉をひそめられる」ことが多い。 想い想われて結婚した妻がありながら、次々と他の女性に魅かれて関係をもったり、文学で食べていけないのに遊び歩いたり・・・。友に援助を求め、傷つけたり・・・。 だけどなぜか憎めない男。その詠む歌は心の葛藤や傷や、燃え滾る情熱にあふれていて読む者の気持ちをわしづかみにする。 そして心のままに生きて、他を傷つけ自らもずたずたになりながら走りぬけていった男、啄木。 正直読んでいて「おいおい、啄木ぅ・・・。」って思うことばかりの人生だけど、なんだか自分に正直すぎたのかな・・・とも思う。 砂山の砂に腹這ひ 初恋の 痛みを遠くおもひ出ずる日 友がみなわれよりえらく見ゆる日よ 花を買ひ来て 妻としたしむ やまひある獣のごとき わがこころ ふるさとのこと聞けばおとなし 彼の、胸をかきむしるような疼きや苦悩が、ここにある。 さて、この本の装丁、挿画を担当したのが、ナカムラ・ユウコウ氏。 イラストレーター、文筆家として活躍中。盛岡出身である。 そのユウコウ氏の作品展があった。イラストと心を打つ言葉の組み合わせで出来ている作品たちのなかに、私の心に響いた言葉があった。 やる気の有無やモチベーションなんかに左右されることなく、やるべきことをそれ以上の成果を出してやってのける・・・それが「大人の色気」だ、と。 そんな大人の色気をもつ自分でいようと。 ああ、なるほどと思った。 私がかっこいいと思う人達に共通していること・・・考えてみればそれは常に淡々と、着実に仕事をこなし、謙虚さを忘れずにいること。 自分の力を等身大に捉えながら、いつも努力し前に進むことを忘れない。 そんな姿に魅かれるのだ。 私はそういう人たちの「大人の色気」にまいってしまっていたのだ。 私もそんな「大人の色気」を醸す生き方が出来るようになりたい。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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