テーマ:楽天写真館(356128)
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ん? あの河原のもにゃっとした物体は何?
猫かあ。 すごいところに陣取ってんな、お前。 ちょっと冷たいけど、心地いい風と、 融けた雪ごと流れていく、川の音。 気持ちよさよう ゆっくりと、だけど春は近づいているんだなあ。 なんて思わせた、日曜日の遠野。 あの猛吹雪を従えて、冬が取って返そうとは、 夢にも思わなかった(いや、なんとなくは思ってた。経験上) この日の遠野はとてもあったかくて、 お昼は、外のベンチに腰かけて食べたくらいだった。 寒冷地仕様の服装でちょっと歩くと、汗ばむくらい 『物語フェスティバル』を観に行った。 二部構成で、一部は遠野の民話語りと伝統芸能。 二部は、津軽三味線と語りで綴る遠野物語の世界。 一部の中に、氷口御祝(すがぐちごいわい)というのがあった。 エッセイのサークルでご一緒した遠野のKさんが、以前話してくれたのだが。 古くからお祝いの席で唄い継がれてきたもので、男性は「謡曲」(高砂とか)、女性は「萬鶴亀(まがき)」という歌詞も旋律も異なる二つの唄を全員同時に唄い、同時に終わるというもの。 その時は、へえ、すごいね くらいの気持ちで聞いていたが、本物を聴くと言葉も出ない。 男性は紋付袴、女性は黒留袖の最上級の礼装で、正座して唄う。 つられることもなく、独立したうたをそれぞれ唄って、締める。 独特の和音を織りなし、祝いとも祈りとも思えるような響きに包まれる。 実際に観る機会があってよかった、と思った。 これは、こういうのはぜひとも続けていってほしいな、と思った。 が、ざっと舞台の上を観ただけでも、かなりご年配の方ばかりだ。 だいたい、続けてほしいなんていってる本人でさえ、 正座とか、お念仏とか聞いただけで、「うっへえ」となる始末。 私らの世代で、こういうものが絶滅するんじゃないか、といつも思う。 ご詠歌とか、昔からの冠婚葬祭の作法とか。 父方の実家は青森県の弘前だが、 お悔みがあると、地域の女性はみなご詠歌を歌いながら、お墓まで歩く。 とても自然に、まるで、唱歌でも歌っているかのように 並んで、連れだって歩く。 ああいう風景が失われていくのは、なんだか惜しい。 習得までは難しいかもしれないが、せめて「知る」ことからはじめてみるのも大事かもしれない、と思った。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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