カテゴリ:うしと暮らせば♪
本日、牛の寝床のマットの新調工事を行った。
業者さん3人と、牛の移動をお願いしたヘルパーさん2人、それに牧場主と私。 午前9時からスタートして午後4時までで、ほぼ半分。 26頭分のマットを敷いた。 牛の寝床のマット、牛床マット(ぎゅうしょうマット)は、大きくて重い。 130×180センチ、ゴム製で、重さは大人の男性3人がかりでようやく持って移動するくらい。 それを敷き詰めていく。 牛の寝床にはストールといって、一頭ずつの仕切りがあるので、そこをよけるように工作し、 動かないようにビスで固定する。 かなり時間と労力がかかる仕事である。 何枚か敷いたところで、触ってみた。 細かな波状のギザギザがびっしり入っている。 そして、ところどころに、縦の二重線がはいる。 牛の蹄がひっかかって、滑らず、しっかり立てるようになっている。 上にのぼって歩いてみると、しとっと足に吸い付くような感触。 まだゴムも新しく、適度な硬さも厚みもあるため、緩衝材としてもかなりよい。 やっぱり、新しくしてよかったと実感した。 昨年の春、「今年の10月くらいに入れてほしい」と、業者さんに依頼してほぼ一年。 さかのぼって、牧場主が地元の組合にマットを入れたい旨を相談してから三年。 さらにさかのぼって、今の牛舎にきて、マットを新調したいと牧場主に提案してから十五年。 ようやくマットを新しくできた。 牛は毎日、乳を出す。もしくは、そのための準備をしている。 休みなく働いている。 せめて、健全な環境のもとで生かしてやらいで、なんとする。 マットを全頭分入れると、軽乗用車の新車を買えるような金額。 だが、毎日のもの、と思うと高くはない。 牛が気持ちよく、脚や体への負担が少なくなるなら、安いもんだ。 どこの世界もそうかもしれないけれど、うちの業界は、「見えるところ」に金をかけたがる。 家一軒建てられるほどもするトラクタ―。 高級国産車が買えるくらいの作業機。 それらは外で使うので、みせて歩ける。 もちろん、それらも使うし、大事だけどね。 敷いたマットはすぐに牛に踏まれ、糞尿がつき、シーツがわりのかんなくずに埋もれて見えなくなる。 だけどその上の牛たちの立ち姿は、脚や背筋がすっくとのびて、見違えるようだ。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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