自称起業家の読書日記

「プロ経営者」の条件

5名の社員でグッドウィルを創業し、2年で年商4億円、僅か10年で年商1400億円の企業グループにした折口氏のエッセイ。
コムスンを一気に1200拠点に展開し、300拠点に戦線を縮小させた時に、何を考え、どういう手法で成し遂げたか、説明されている。
防衛大学で学ぶのであろう、兵站戦略を聞いているようであった。

<読書メモ>

○センターピン理論:ビジネスの本質を突く戦略・戦術
・ディスコ:常に満員であること→当初、月曜無料招待券を2000枚配布、リターン率50%、10ヵ月後には全員有料客
・化以後サービス:居心地の良さ→技術ではなくホスピタリティ

○介護市場
・高齢者の22%が、ケア付き住宅、ケア付き施設に住むことを考えている
　→介護保険制度以前は、10%程度
・家族に介護を頼みたい高齢者は2%
・介護保険の予算→:2004年5.5兆円、2010年12兆円、2025年20兆円
・65歳以上の高齢者人口:2015年3000万人

○コムスンの貢献
・介護保険開始から2万2000名を雇用(2004年5月入社高卒者1500名、応募者1万5000名)
・売上2001年6月121億円、2005年400億円
・損益分岐点は、当初1拠点40人→現在は30人
・通常認知率8割になるには、1000億円の広告投資が必要だが、コムスンは当初2年間に集中的に約100億円投資して実現させた。

○企業成功の条件
・「夢と志」「技術と仕組み」「執念と鉄の意志」を持つ

○グッドウィル・グループ
・グループ全体2の従業員数2万8千人
・45名番の役員序列を付け、毎年見直される

○持ち株比率に対する考え方
・自分が100%持っていて時価総額1億円の会社と、10%しか持たないが時価総額100億円の会社であるとすると、全社は自分の会社であるが、後者は10%で10億円である為、上場させることになれば大きな価値を生む。
・オーナーにこだわって人をコントロールするより、プロ経営者としてマネジメントを極めた方が上である。

『「プロの経営者」の条件」　折口雅博著　2005年7月31日第1刷　徳間書店　1400円