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テーマ:ミステリはお好き?(1496)
カテゴリ:読んだ本(ミステリ・日本)
古川日出男の「沈黙」(1999)を読んだ。以下,ネタバレの可能性があります。 本を読むたびに「いったい何について書かれているのか?」などと考える必要はないのだけれど,この人の作品の場合,ついつい考えてしまう(笑) しかし,この作品は難しい!! 「悪」対「音楽」の対決ということだろうか? 「悪の輪廻」でもいいような気もするが…… 「音楽だけが悪に拮抗する」(大滝鹿爾) 「闇に勝つものは何かな?」「音楽だろう」…「視えないで聞こえる力だ」(鹿爾) 「音楽は生存のための儀式である」(大滝修一郎) 今回は,半分自分のための覚えではあるが,「証言」が真実として(つまり,秋山薫子の中に現れた大滝修一郎が真実を語っているとして),「ルコ」を除いたできごとを時間順に並べてみた(1992年以降は,「アビシニアン」)からの逆算類推)。 1945年(BE2488) 大滝鹿爾タイに入り,山室龍三郎大佐と会う。 1946年 鹿爾ナコン・ナーヨクの収容所から引き揚げ線に乗る。 その頃祝田慶典(修一郎の母の兄)復員して映画興行師になる。 1949年 修一郎生まれる(母巴出奔)。 1959年 鹿爾修一郎(10)を連れて盛り場の酒屋に行き,市原時雄を狂わせた「怪物」との会い方を聞く。 ルコがもう一度生まれたとされる年。 1960年 鹿爾極道と会い,修一郎(11)はカウンターで太刀魚の刺身を食べる。その後,鹿爾タクシーを降りて姿を消す。 鹿爾山室を縊り殺し,悪が彼に転移,「怪物」となる。 1961~2年 修一郎庭の深井戸に金魚や鮒や鰍を放つ。 1964年 修一郎(15)祝田の吹き替え版製作現場に行き,現場の一員として起用される。 1966年 修一郎(17)祝田からルコの話を聞く(創作?)。「マシンガン」姉製作。 1969年頃 修一郎(大学生)音響効果技師としての一面を見せる。 1971年頃から 修一郎祖父の片腕となり実業家として商才を発揮。 1982年 修一郎メディア上に輪廻した悪を追い,鹿爾を殺し,悪の呪詛または転移が起こる。 しばらくして,修一郎交通事故にあい,やがて聴力を失う。 1988年 修一郎自殺。 1992年 10月 秋山燥(やける,小学5年)失踪して鍾乳洞で発見され,「闇」になって,以後人が変わる。薫子は中学2年,「悪」を孕むが殺す。 1993年 地元で,中学生の自殺,小学6年生が農薬を流すなどの事件が続き,秋山正史一家で舞鶴に移る。燥(小学6年),薫子(中学3年)。 1997年 5月 秋山薫子(19)仲間と収容施設の猫を中野区内の公園に解放。 7月 薫子大叔母大滝静の東中野の家を訪問し,通うようになる。 8月 薫子,猫と大滝邸に下宿。「音楽の死」ノートを読み始める。 9月 阿部丹吾(67,グラフィックデザイナー)と「料理教室」で知り合う。 11月 薫子トイレの水漏れを修理。初台のオペラシティで無響室を経験。 12月 薫子冬眠(ノートに没頭するとともに,レコードを聞き始める)。 1998年 4月 薫子進級。 夏 薫子産院で産声を録音。 秋 薫子朽ちたビルの音を録音。「30/50展」事務所で働き始める(丹吾や藤原鴻二を手伝う)。裏原宿で詩人に会う。 10月 燥(17)が家を出て,高校中退。栃木で鍾乳洞に入ったあと,上野で拾われ幡ケ谷でOLと暮らす。 11月 薫子栃木で知人からヤケルを見たと聞かされる。「30/50展」で,地下放送局立ち上げ。 12月 薫子豚の屠殺を見る。修一郎16歳の時の吹き替え映画を入手。レコードを作って聞き,修一郎の脳を手に入れる。 1999年 1月 靜と薫子氷川神社に初詣。薫子雑誌でヤケルの写真を見る。 2月 薫子全国紙の社会面で幡ヶ谷の事件を探す。薫子OLの話を聞く。OL段ボール・ハウスに火をつけ,ホームレスの一団に撲殺される 22日 薫子ウィークリー・マンションを借りる。 26日 薫子東郷神社で燥と会い,表参道に面したビルの5階の「店」で彼を殺す。 2001年 1月 薫子が解放した猫たちが(生きていれば)4度目の冬を迎える(「アビシニアン」)。 上で, 「悪」対「音楽」の対決ということだろうか? と書いたが,それだけでは,「音楽は至高のもの」とか「歌声が世界を救う」とかと間違えられかねない(笑) 世界には内在するリズムがあり,そのリズムを崩すものが「悪」である。したがって,「悪」はどこにでも存在しうる。 また,「悪」のリズムに同期しつつ,それを変えていくことで「悪」に打ち勝つことはできるが,それをした人間は,同時に「悪」のリズムに染まることになる。 といったようなことでもあろうか? まあ,あまり難しく考えずに,活字で書かれている,「13」(日記は→こちらから)に登場した魅力的なキャラクターであるCDが作り出すのとはまたちょっと違った「音の世界」あるいは「無音の世界」を楽しむのがイチバンという気はする(笑) 古川日出男の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (古川日出男)からごらんください。 楽天ブックス 記事関連のオススメ日記 Blue Sky Complexさん お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/08/27 01:20:13 AM
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