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テーマ:ミステリはお好き?(1495)
カテゴリ:読んだ本(ミステリ・日本)
舞城王太郎の「暗闇の中で子供」(The Childish Darkness,2001)を読んだ。「煙か土か食い物」(日記は→こちらから)の続編のようでもあるが,書き手が四郎から三郎にかわっているため,「全く別の物語」が語られることになる。 おおざっぱにいうと,序盤は「煙か土か」で野崎博が起こした事件を引き継いでナスカの地上絵と惑星探査機に描かれた絵を完成しようとした2組(3人)の話,中盤は「殺ジャワクトラ神」連続殺人,終盤は河路夏朗の襲撃の話となるが,全体を通して,自傷衝動にかられる布施由里緒,猿江楓を始めとする三郎の同級生たち,二郎その他奈津川家の人間などとかかわりながら,「大人になりきれない」三郎について語られることになる。 全編を通して,「ある種の事実は嘘でしか語れ」ず,それが「物語」であるという姿勢が貫かれているので,読み終わっても,「奈津川家に起こった事実」が何であったのかはわからない。 三郎によると,「ジャワクトラ神=河路夏朗」は二郎ではなく,二郎と同時期に姿を消した河合陽二であり,二郎は家族の腹の中におさまっているのだがそれが「事実」なのか? また,病院から抜け出した三郎たちの母がどこに行ったのか? また,誰といるのか? そもそも,「殺ジャワクトラ神」連続殺人の最初の被害者である橋本敬は,高野祥基によって窒息死させられたのであり,それがどのような経緯で西暁中学校で上村の息子の「達磨落とし」にされたかの経緯も語られることはない。 暴力的なシーンや残虐なシーンが多いのだが,書き手の語り口がそれを妙に「乾いたもの」にしているので,「目を覆いたくなる」ような感じがしない。この作者独特の文体によるものだろう。 不思議な読後感を残す作品だった。 舞城王太郎の他作品についての日記は,フリーページ 読了本(日本) (舞城王太郎)からごらんください。 楽天ブックス 記事関連のオススメ日記 未来の予定~ラビ的(みっつ君) フォッカーといえば・・・・(ベローソフさん) お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2006/12/10 12:47:46 AM
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